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2022/02/22

萩原朔太郞「拾遺詩篇」初出形 正規表現版 放蕩の虫

 

 放蕩の虫

               夢みるひと

 

放蕩(はうだう)の虫(むし)は玉虫(たまむし)

そつと來(き)て心(こゝろ)の底(そこ)で泣(な)く虫(むし)

夜(よる)としなればすゞろにも

リキユールグラスの端(へり)を這(は)ふ虫(むし)

放蕩(ほうとう)の虫(むし)はいとほしや

 

放蕩(ほうとう)の虫(むし)は玉虫(たまむし)

靑(あを)いこゝろでひんやりと

色街(いろまち)の薄(うす)らあかりに鳴(な)く虫(むし)

三味線(さみせん)の撥(ばち)にきて光る虫(むし)

放蕩(ほうとう)の虫(むし)はせんなや

 

[やぶちゃん注:大正二(一九一三)年十月三日附『上毛新聞』に発表された。

・「放蕩」の全ルビ「はうどう」「はうとう」は総てママ。歴史的仮名遣は「はうたう」が正しい。

 当時の新聞のルビは新聞社で勝手に附した傾向が甚だ強い。この誤植も総ては朔太郎のあずかり知らぬものであろう。次いで言っておくと、新聞では拗音表記を無視した(読み難くなるだけだから)傾向もあり、以下の草稿を見ても、或いは、朔太郎の原稿は「リキュールグラス」となっていた可能性も高い。五月蠅いだけなので、読みの除去版を以下に示す。

   *

 

 放蕩の虫

               夢みるひと

 

放蕩の虫は玉虫

そつと來て心の底で泣く虫

夜としなればすゞろにも

リキユールグラスの端を這ふ虫

放蕩の虫はいとほしや

 

放蕩の虫は玉虫

靑いこゝろでひんやりと

色街の薄らあかりに鳴く虫

三味線の撥にきて光る虫

放蕩の虫はせんなや

 

   *

 なお、「習作集第八巻(愛憐詩篇ノート)」に「いろはがるた」という草稿があり、その中に、本篇の草稿がある。以下に示す。

   *

 

 放蕩の蟲

            (一九一三、二)

 

放蕩の蟲は玉蟲

そつと來て心の底で泣く蟲

夜としなればすゞろにも

リキュールグラスの緣(ふち)を這ふ蟲

放蕩の蟲はいとほしや

 

放蕩の蟲は玉蟲

靑いこゝろでひんやりに

色街の薄ら明りに鳴く蟲

三味線の撥にきて光る蟲

放蕩の蟲はせんなや

 

   *]

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