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2022/02/21

萩原朔太郞「拾遺詩篇」初出形 正規表現版 秋の日

 

 秋の日

               萩原美棹

 

眼を惱(なや)む山雀(やまがら)の

愁を分けて、秋の日

乳母(うば)の里、梨寺に

稚日(ちゞつ)想(おもひ)をなやみぬ

 

花びら

地に落つる音

艾子(けし)ちるか

秋なるに

 

はた山なるに

いと淋しや

宵(よひ)、また籠をいだいて

憂(うれ)ひぬ、鳥の病に

 

あゝ疑ふ

死せざらんや、いかで

さて風ふかば、いかで

聞かざらんや

豆の葉の鳴る日を

 

野面(のもせ)、雪に埋れし

木枯あらばいかに

淋しとて

泣くこゝろ、鳥にかあらまし

人なればとて、いはんや

 

かばかりいたむ心ぞ、君

口吃(くこも)る男を癖(くせ)とみしも

(昨日か)

思ふに淚はかくこそ流れん

わりなや

 

秋風(あきかぜ)、肌(はだへ)に寒しとてや山雀

いといと切(せち)なる振(ふり)に鳴(な)くも

なにかは

我は山住み

今(こ)の日笑顏(ゑがほ)の乳母(うば)を見て

知んぬ平和の愛着

 

目を病むも

老ひたるも

人たるも鳥たるも

(さはいへ)

さびしからまし

日は照るに

とこしなへ

 

籠を抱いて

夜すがら

鳥と愁へぬ。

あかつき

覺(さ)めにけり

菊の露

 

[やぶちゃん注:前の「絕句四章」と同じく明治三八(一九〇五)年七月発行の『坂東太郞』に発表された。

・「乳母(うば)」不詳。

・「梨寺」不詳。

・「艾子(けし)」はママ。校訂本文は「芥子(けし)」と訂する。

・「口吃(くこも)る」校訂本文は「口籠(くごも)る」する。

・「老ひたるも」はママ。]

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