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2022/02/21

萩原朔太郞「拾遺詩篇」初出形 正規表現版 蛇いちご

 

 蛇いちご

                みづの人

 

實は成りぬ

草葉かげ

さゝやかに

赤きもの

名も知らぬ

實はなりぬ。

 

大空みれば

日は遠しや

輝々たる夏の午(ひる)さがり

野路にかくれて

唱ふもの。

 

魔よ

名を蛇と呼ばれて

執者(すねもの)の

のろひ歌

節なれたり。

 

野に生ひて

光なき身の

運命(さだめ)かなしや

世を逆(さかしま)に

感じては。

 

呪はれし

夏の日を

妖艷の

蠱物(まじもの)と

口吻(くちづけ)交す蛇莓。

 

[やぶちゃん注:以上は明治三八(一九〇五)年七月発行の『坂東太郞』に発表された。但し、その二ヶ月後の同年九月下旬号の『文庫』に「美棹」のペン・ネームで再録されている。しかし、再録時に作者によって改変が加えられており、この初出とは見た目の印象がかなり違う。それは、二〇一三年二月二十五日附のブログで、本底本である筑摩書房版全集第三巻の「拾遺詩篇」(十五から十七頁)の校訂本文に拠りつつ、全集編者によってなされた消毒改変を元の状態の復元して示し(一連及び二連の読点)、さらに初出にあった「蠱物(まじもの)」の読みを附し、最終行の「交す」に初出で平仮名表記になっている「かはす」の読みを附したりして、原形に最も近づき、且つ、読み易いものにしたものを既に電子化してある(今回、さらに不全部分を修正した)ので、そちらと比較されたい。なお、なぜこれを選んで、その時、電子化したかって? 私はあのヘビイチゴが奇体に好きだからさ!

・「執者(すねもの)」はママ。リンク先の再録版では「拗者(すねもの)」となっている。

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