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2022/03/27

萩原朔太郎 未発表詩篇 鳥の巢の内部

 

 鳥の巢の内部

 

鳥の巢をうかがへば

巢の中はぼんやりとうすぐらく

鼠いろの卵がひとつばかり

氣味わるく光りて

そのあたりがいちめん

病人のかみの毛だらけなり

ああ、じつに無數のかみの毛なり。

              三月十六日

 

底本は筑摩版「萩原朔太郞全集」第三巻の「未發表詩篇」の校訂本文の下に示された、当該原稿の原形に基づいて電子化した。編者注があり、『本稿は未發表詩篇「梢」と同じ原稿用紙に書かれている』とある。「梢」は直前に公開した。これも一度、「萩原朔太郎詩集 遺珠 小學館刊 遺稿詩篇 鳥の巢の内部」で電子化しているが、底本の『草稿詩篇「未發表詩篇」』に、以下の三篇(標題は「卵」・無題・「巢の内部」)の草稿が載るので、新たに項を起こして、以下にそれを掲げた。なお、そちらで推定したように、本篇に附されたクレジットは、全集の「未發表詩篇」内の配列から見て、大正四(一九二五)年三月十六日である可能性が高い。以下、表現は総てママである。

   *

 

 

 

鳥の巢をうがひしに[やぶちゃん注:ママ。「うかがひしに」の脱字。]

卵がひとつ光りて居たり

さてその巢は

 

 

 

 

鳥の巢をうかゞへば

巢の中はぼんやりとして薄暗く

病人の髮の毛だらけなり

鼠色の卵がひとつ光りてありしがばかり

うす氣味わるく光りて

そのあたりがいちめん

球のやうにこんがらかつて

ああ ああしづにああ實に病人のかみの毛だらけなり[やぶちゃん注:「しづに」はママ。「じつに」の誤字であろう。次の草稿終行も同じ。]

 

 

 巢の内部

 

鳥の巢をうかがへば

巢の中はぼんやりと薄暗く

鼠色の卵がひとつばかり

うす氣味わるく光りて

そのあたりがいちめん

まりのやうにこんがらかつて

病人の細い髮の毛だらけなり

しづに無數の髮の毛なり→だらけなりのかたまりなり

 

   *

後に編者注があり、『以上三篇は未發表詩篇「梢」の草稿「春夜」と同一用紙に書かれている』とある。「梢」の草稿「春夜」はやはり『未發表詩篇「梢」』を参照されたい。]

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