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2022/03/29

毛利梅園「梅園介譜」 蛤蚌類 伊豫スダレ貝 / ヌノメガイ属の一種

 

[やぶちゃん注:底本の国立国会図書館デジタルコレクションのここからトリミングした。なお、この見開きの丁は、右下に、『和田氏藏ノ數品』(すひん)、『九月廿一日、眞写』す、という記載がある。和田氏は不詳だが、前の二丁と同じく、その和田某のコレクションを写生したことが判り、これはそれらと同じく、天保五年、グレゴリオ暦一八三四年五月十一日と考えよい。]

 

Iyosudaregai

 

伊豫すだれ貝

 

[やぶちゃん注:最初に言っておくと、この丁の貝の名は、ここまで見ていると、思うに、所蔵者和田氏によって附されてあるものを、無批判に梅園が転写したように私には感じられる。而して、この名のみならば、

斧足綱異歯亜綱マルスダレガイ目マルスダレガイ科リュウキュウアサリ亜科スダレガイ属イヨスダレ Paphia undulata

があり、その和名の命名者は、かの「目八譜」の武蔵石壽なのであるが、当該書には、確かに正真正銘、現在のイヨスダレの図が描かれてある(国立国会図書館デジタルコレクションの当該項)。しかし、梅園の描いたこれは――逆立ちしても――イヨスダレではない――。イヨスダレには、こんな強い特異な放射肋は全くなく、逆に、イヨスダレなら描き落されるはずがない網目模様がどこを見ても全く見当たらないからである。殻頂が摩耗して削れてしまっているように見受けられるが、網目模様が全抹消されながら、しかもこの放射肋が浮き出て残るというのは、素人目で見ても、ちょっと信じ難い。殻全体が丸みを帯びており、殻頂がかなり強く膨らんでいるように見えるところと、この異様な放射肋からは、

マルスダレガイ科ヌノメガイ属ヌノメガイPeriglypta puerpera

同属ヨロイガイ Periglypta chemnitzi

同属アラヌノメガイ Periglypta reticulata

同属オオヌノメ Periglypta clathrata

の孰れかに比定したい。但し、このうち、ヌノメガイの分布は奄美大島以南であるから、ちょっと考える(薩摩藩の関係者から入手した可能性はあるにはあるだろうが)。ヨロイガイは本州中部以南、他の二種は孰れも本州南部以南で特に問題はない。]

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