萩原朔太郎 未発表詩篇 無題(……つめたい藻ぐさのながれが)
○
つめたい藻ぐさのながれが
まつぱだかの胴體にからみついた
ぬらぬらする淫心から
おれはくちびるをまつさをにして
流れをはすつかひにつつきつた
┃ぐつとのばした兩腕をのばすと のわきからをのばすと
┃ぐつと雨足をつきふみのばすと
[やぶちゃん注:「┃」は私が附した。以上の二行が並置残存されていることを示す。]
光線がいつぱいにながれたさしこんだ、
遠い水草の葉つぱが
すつきりとあかるくみえる
ほつそりと光透いてみえるほど、
[やぶちゃん注:底本は筑摩版「萩原朔太郞全集」第三巻の「未發表詩篇」の校訂本文の下に示された、当該原稿の原形に基づいて電子化した。表記は総てママである。編者注があり、『本稿には以下がない』とある。
なお、本篇には『草稿詩篇「未發表詩篇」』に『(本篇原稿二種一枚)』としつつ、一種のみがチョイスして示されてある。以下に示す。同じく表記は総てママである。
*
○
おれは
お れは んみの
あきらかに水面に
みられよ
ぐいと兩足をのばして、
流をはすつかひによこぎつた、
*]
« 萩原朔太郎 未発表詩篇 無題(さてなやましさと寂しさが彼を狂氣せしめた、……) | トップページ | 室生犀星 随筆集「天馬の脚」原本正規表現版 始動 / 澄江堂雜記 芥川龍之介氏の人と作 »

