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2022/03/27

萩原朔太郎 未発表詩篇 無題(太陽……)

 

 

 

太陽

太陽

太陽

畑いつぱいちめんの大陽だ

きら、きら、きら、きらする光だおてんとさまだ、

あかるい

まぶしい

やるせない 光だ 畑のうみだ

うをう をと手をのばして

ぢつとなに かをにぎつてみたら

さあ大變だ

畑いちめんの

葱のあたま

葱…………

葱…………

葱…………

葱…………

ああ光る、

さはさりながら

あまた光れる

光るさびしい野菜の光る

葱のあたま のあたり より野菜の光る

ゆうれいのやうな手をはやし

いつしんふらんにくひついて居る

野さいの靑い手足のさきに

いつしんふらんにかぢりつき

はてしもない この長い葱のあたまにくひついて

たつた一疋とまつて居た毛のやうに光つて居

光るちつぽけな

ぢふてりやのばいきん がとまつて居た、→が食ひついた、 が食ひついて居るいつしんふらんにくひついて居る

 

[やぶちゃん注:底本は筑摩版「萩原朔太郞全集」第三巻の「未發表詩篇」の校訂本文の下に示された、当該原稿の原形に基づいて電子化した。表記は総てママである。編者注があり、『本稿の前部餘白に』「きのこの生れるとき」と『ある』とある。また、『本篇のあとに書かれたとみられる別紙八行の淸書原稿がある。』として、

   *

太陽

太陽

太陽

畑いちめんの太陽だ

きらきらきらきらする太陽だ

ああ光る

光る畑のうねみちで

あまた光れる

   *

とある。四行目「大陽」は「太陽」の誤字でよかろうが、九行目「 うをう をと手をのばして」は、底本編者は「 うをう 」の後に「つ」を補って、前の削除された「そ」と後の「を」にそれを繋げて、「そをつと」として「そおっと」との意味としているとしか思えない。まあ、そんな感じで正しいのだろうだが、「そおっと」は「そをつと」とは表記しないことは言うまでもない。伝家の宝刀完全消毒主義の事実上の破綻は、これ、どうするつもりなのかねぇ? 「大陽」は訂して、削除部分を消去したものを示しておく。

   *

 

 

 

太陽

太陽

太陽

畑いちめんの太陽だ

きら、きら、きら、きらするおてんとさまだ、

ああ光る、

あまた光れる

さびしい野菜の光る

野菜の光る

野さいの靑い手足のさきに

いつしんふらんにかぢりつき

葱のあたまにくひついて

毛のやうに光つて居る

いつしんふらんにくひついて居る

 

   *]

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