畔田翠山「水族志」 メジロダヒ
(二〇)
メジロダヒ
大和本草曰目白ダヒ肩高ク橫濶與二紅鬃魚一異兩傍有二紫斑一其目白按「メジロダヒ」大者二尺許「タバメ」ニ似テ背淡褐色ニ乄紫斑斜ニアリ
○やぶちゃんの書き下し文
めじろだひ
「大和本草」に曰はく、『目白だひ、肩、高く、橫、濶(ひろ)く、紅鬃魚(たひ)と異(こと)なり、兩傍に、紫斑、有り』と。其れ、「目白」は、按ずるに、「めじろだひ」の大なるは、二尺許り、「たばめ」に似て、背、淡褐色にして、紫斑、斜めにあり。
[やぶちゃん注:畔田が引くのは、「大和本草諸品圖下 ムツノ魚・扁鰺(ヒラアヂ)・笛吹魚・目白鯛 (ムツ(図のみから)・マアジ(地方名)・ヤガラ類・メイチダイ)」である。目白という部分に疑問があるが、私はそこで、
スズキ目スズキ亜目フエフキダイ科ヨコシマクロダイ亜科メイチダイ属メイチダイ Gymnocranius griseus
に比定した。「ぼうずコンニャクの市場魚類図鑑」の同種のページによれば、メイチは『東京・大阪など日本各地での呼び名。目を貫くように黒い一文字の帯があるから』としつつ、他に『痘痕(あばた)の方言、「めいちゃ」、「めっちゃ」の転訛』説、単に『目が大きいから』、また、目に『独特の臭みのある油があり、目を傷つけないように注意が必要だから』とされるが、以下で『実際には目の周辺は美味』ともある。
「タバメ」次項参照。]

