毛利梅園「梅園介譜」 蛤蚌類 口キリ貝 / カニモリガイ
[やぶちゃん注:底本の国立国会図書館デジタルコレクションのここからトリミングした。なお、この見開きの丁もまた、梅園の親しい町医師和田氏(詳細不詳)のコレクションからである。その記載はこちらで電子化した。]
口(くち)きり貝【「百貝圖」。】
[やぶちゃん注:標準和名に「口切貝」、腹足綱異鰓亜綱異旋目トウガタガイ超科 トウガタガイ科クチキレガイ属クチキレガイ Orinella pulchella があるが、開孔部の形状や、殻表面が平滑であって、本図とは一致しない。これは、まず、貝口の形と殼表の顆粒状螺旋から、
腹足綱前鰓亜綱中腹足(盤足)目オニノツノガイ超科オニノツノガイ科タケノコカニモリ属カニモリガイ Rhinoclavis kochi
に比定してよいように思われる。
「百貝圖」寛保元(一七四一)年の序を持つ「貝藻塩草」という本に、「百介図」というのが含まれており、介百品の着色図が載る。小倉百人一首の歌人に貝を当てたものという(磯野直秀先生の論文「日本博物学史覚え書Ⅺ」に拠った)。]
« 泉鏡花「高棧敷」(正規表現版・オリジナル注附・PDF縦書版)を公開 | トップページ | 毛利梅園「梅園介譜」 蛤蚌類 ムシロ貝 / ムシロガイ »