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2022/06/24

フライング単発 甲子夜話續篇卷之三十 24 大名女子の旅裝

 

[やぶちゃん注:以下、現在、電子化注作業中の南方熊楠「子供の背守と猿」の注に必要となったため、急遽、電子化する。]

 

30-24 大名女子の旅裝

 予少年より東武往還の道中多の人の旅行にも遇しが、その行装小々の殊なることは有れど、まづは似たるものなり。備中にて薩州の息女江都に上るに遇たり。調度の長櫃幾箇も持行うち、飾著たるあり。其さま竹を立、上に又橫に結び、糸を張り、小き鼓又はくゝり猿などを下げ、竹の末三處には紅白の紙を截かけにして長く垂れたること神幣の如し。或は紅の吹貫、小幡など付たるも有り。いと華やかなることにて女子の旅裝と見ゆる者なりき【「東行筆記」。】。

■やぶちゃんの呟き

「予少年より東武往還の道中多の人の旅行にも遇」(あひ)「しが、その行装」(かうさう)「小々の殊なることは有れど、まづは似たるものなり。備中にて薩州の息女江都に上るに遇」(あひ)「たり」松浦(静山)清の父であった政信は、静山の祖父誠信の跡を継ぐはずであったが、明和八(一七七一)年八月に三十七歳で家督を継がずに早世した。宝暦十(一七六〇)年一月に江戸藩邸で生まれた清は、政信の長男であったが、側室の子であったため、それまで松浦姓を名乗れず、松山姓を称していたが、同年十月十二歳の時、祖父誠信の養嗣子となり、安永三(一七七四)年四月、将軍徳川家治に御目見し、同年十二月、従五位下・壱岐守に叙任、翌安永四年二月の祖父の隠居により、十三歳で家督を相続、同年三月、藩主としての初めての帰国許可が出ている。

「長櫃」「ながびつ」。

「幾箇」「いくこ」。

「持行」「もちゆく」。

「飾著たる」「かざりつけたる」。

「立」「たて」。

「鼓」「つつみ」。

「くゝり猿」「括り猿」。四角な布に綿を縫い込み、四隅を足として一ヶ所に集めて括り、頭をつけて猿の形に作(な)した玩具。江戸時代に流行し、「幟猿」(のぼりざる:端午の幟の下につけた括り猿。風で上下する玩具)やお守りや各種の装飾に用いた。遊郭などでは客の足止めをする咒(まじな)いにもした。

「三處」「みつどころ」。

「截かけ」「きりかけ」。

「神幣」「ごへい」と当て訓しておく。

「吹貫」「ふきぬけ」。「吹き流し」に同じ。

「小幡」「こばた」。小旗。

「東行筆記」静山の藩主時代の寛政期(一七八九年~一八〇一年)の随筆「寛政東行筆記」。

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