曲亭馬琴「兎園小説余禄」 樂翁老侯案山子の賛
[やぶちゃん注:「兎園小説余禄」は曲亭馬琴編の「兎園小説」・「兎園小説外集」・「兎園小説別集」に続き、「兎園会」が断絶した後、馬琴が一人で編集し、主に馬琴の旧稿を含めた論考を収めた「兎園小説」的な考証随筆である。
底本は、国立国会図書館デジタルコレクションの大正二(一九一三)年国書刊行会編刊の「新燕石十種 第四」のこちらから載る正字正仮名版を用いる。
標題を含め、底本ではただ三行(吉川弘文館随筆大成版では二行)で「兎園小説」中、最も短い記事である。初行の読点は除去して、最初のそれは空欄とした。
「樂翁」は「寛政の改革」を断行した老中松平定信(宝暦八(一七五九)年~文政一二(一八二九)年)の号。]
○樂翁老侯案山子の賛
矢引たるは勇なり はなさゞるは仁なり
智のひとつかけてをかしきかゞしかな
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