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2022/08/11

毛利梅園「梅園介譜」 蛤蚌類 サルノフグリ / トマヤガイ或いはその近縁種

 

[やぶちゃん注:底本の国立国会図書館デジタルコレクションのここからトリミングし、一部をマスキングした。この丁の内、左下方の固着性ゴカイ類を除き、ここまでの四個体は、今まで同様、梅園の親しい町医師和田氏(詳細不詳)のコレクションからである。その記載はここで以下に電子化した。]

 

Sarunohugusi

 

「さるのふぐり」

 

 

右、四種、和田氏藏。

   同九月廿五日、眞寫す。以上。

   都合、百五種。

 

[やぶちゃん注:「サルノフグリ」とは植物の「オオイヌフグリ」と同じく、「猿の陰嚢」=「猿の睾丸」=「猿のきんたま」の意である。而して調べてみたところ、「尼崎市」公式サイト内にあった尼崎の海の環境調査結果PDF)の享保二〇(一七三五)年に成った『「尼崎産魚」に記載された魚介類』の八十二種の「71」種目に確かに『サルノフグリ』があるのに快哉を叫んだ(直前は『サクラカイ』で、後には『ガウハギ』と『ヲニヒトデ』が続く。「ヲニヒトデ」は現在の「オニヒトデ」ではなく、種同定は出来ないが、大型のヒトデの異名であろう)。

 これに力を得て、同定に取り掛かった。まず、右脇のデータの中の「四種」とは、前の「長螺」と「茶入貝」とこの二個体の「四種」の意ととって間違いない。しかし、今までも、同じ種二個体を「二種」と表現することを梅園は普通にやっている。従って、私は標題のみを間に挟んで何も解説を書いていない以上、梅園は、この二個体を同一種或いは類似種と判断して描いたと考えてよい。

 そこで、よく見てみると、大きさは違うが、この――いかにも不定形なガタガタの外縁部の形状が――この左右の個体で――細部に亙って――驚くべき相同性を示している――ことに気づくのである。

 そうして、同一と思われる種を描く場合、梅園は、なるべく向きを変えて描いていたことを考えると、これは、或いは、

全体に斑点が打たれて紋様を描いていると思われる右個体が「殻の面」

であり、

周縁内側部分が白くて中にサイケデリックに見える多色が入れてあるのが「同一種のやや大きな殻の内側」

を描いたものであり、恐らくは貝殻の内側の中央部分が、海藻や異物によって、かく汚損しているのだ、と考えよいように私には思われるのである。

 さて。こんなに不定形なブサイクな貝がいるだろうかってか?

 これが、いるのだ!

 私は、その独特の形から、直感的に気づいていた! これは、多分、間違いなく、

軟体動物門二枚貝綱マルスダレガイ目トマヤガイ超科トヤマガイ科トマヤガイ属トヤマガイ Cardita leana

或いは、その近縁種である。全体は多くの図鑑やネット記載では「ほぼ長方形」と言っているが、実物を見ると、もっとガタガタして見える。それは殻表面に非常に強い太い密着した放射肋が発達しており(十五条内外)、その結果として、全体に微妙な捩じれが生じているからである。「千葉の県立博物館 デジタルミュージアム」のこちらの写真を見られたい。放射肋が内壁にも影響を与えて、赤茶けているのが見えるぜ! ヒャッホー! 個人的には私は「ブサカワ」の癖に侘びた「苫屋貝」の名にし負うこいつが、結構、実は、好きなのである。「サルノフグリ」も言い得て妙だぜ!

「同九月廿五日」前からの続きで、これは天保五年のその日で、グレゴリオ暦一八三四年十月二十七日となる。]

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