毛利梅園「梅園介譜」 蛤蚌類 茶入貝 / イモガイ類の稚貝
[やぶちゃん注:底本の国立国会図書館デジタルコレクションのここからトリミングした。この丁の内、左下方の固着性ゴカイ類を除き、四個体は、今まで同様、梅園の親しい町医師和田氏(詳細不詳)のコレクションからである。その記載はここに電子化した。]
茶入貝
[やぶちゃん注:形状から、
腹足綱新腹足目イモガイ科イモガイ亜科イモガイ属 Conus
の稚貝と見てよいだろう(大きければ、特異な形状から、もう少し大きく描くはずである)。若干、外口部がアーチ状に見えるのは、中央部に欠損があるのかも知れない。イモガイの類は稚貝でも既に、貝殻表面に成体と同じ模様を形成するものが多いから、これも目立った模様を持たない単色で黄白色を呈し、螺塔が低く潰れている種を挙げるならば(一応、当時の本邦の本土に限って考えると)、
イモガイ属ヤセイモ Conus (Virgiconus) emaciatus
同属ロウソクガイ Conus (Virgiconus) quercinus
の二種が考えられようか。
「茶入貝」現行ではこの名は生き残っていないが、残しておいてよい和名だがなあ。イモよりゃマシだと思うけどな。]
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