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2022/08/08

毛利梅園「梅園介譜」 蛤蚌類 鶉貝(ウツラガイ) / 迂遠な長考によりウズラガイの螺塔の先端部の欠損片と推理した

 

[やぶちゃん注:底本の国立国会図書館デジタルコレクションのここからトリミングした。なお、この見開きの丁もまた、梅園の親しい町医師和田氏(詳細不詳)のコレクションからである。その記載はこちらで電子化した。]

 

Uzuragai

 

鶉貝(うづらがい)

 

[やぶちゃん注:現在の標準和名のそれは、

腹足綱ヤツシロガイ上科ヤツシロガイ科ヤツシロガイ属ウズラガイ Tonna perdix

であるが、同種はどこから描いても、この形にはならないと、まず、思い込んでしまった。長い間、本「梅園介譜」の更新をしなかったのは、本図には甚だ困ったからである。当初、私は、

この図を不用意にも、断然、斧足類(二枚貝)と思い込んだ

のである。その前提で、種を同定しようとし乍ら、しっくりくるものが見当たらず、停滞していたのである。則ち、私は、

左の丸いそれが稜であり、右が前の右殻であると完全に思い込んでしまっていた

のである。しかし、よく見ると、

この図は左方向に石畳状に螺を描いている

則ち、

向こう側に開口している腹足類ではないか?

という、疑いが、暫く後になって生じ始め、そこで、またまた、立ち止まってしまっていたのである。しかし、では、

何故、この向きで描いたのか?

という疑問が生ずる。或いは、

開口部は手前で欠損してしまっていて、中央の軸がむき出しになっていた

のかも知れない、則ち、

向こう側は描きようがない欠損片ではなかったか?

などという、種同定以前のところで、堂々巡りをしていたのである。

 ところが、私はいろいろな、私の今は貧しくなった標本と、図鑑と、ネットの複数の貝サイトの画像と見比べてみても、

どうも、これぞ、というものに出逢わなかった

のである。

 そんな中、今日、久しぶりに上記の梅園の絵を拡大して見ていたところが、ふっと

――最初に否定し、ろくな検証もしなかった、ウズラガイに立ち戻って考えてみた

のである。……すると……これ……

ウズラガイの頂頭部(最先端は欠損しているもの。その証拠に、絵の最上部は白く潰れているように描かれている!)のみを外したものによく似ているような気がしてきた

のである。非常にお世話になっているMachiko YAMADAさんのサイト「微小貝データベース」ウズラガイの写真を見られたい。そう! 私は、

「この本体層の上の次体部が、ポコっと、外れたと仮定し、さらに尖塔部の最後の螺層(胎殻)がポロっといって、そこで潰れたと考えると、実は、この梅園の絵のように、なるんじゃないか?!」

と思い至ったのである。そうすると、

この螺層表面の――ある種、変則的にある模様が――ジグザグに形成されるウズラガイのそれに似ているように見えてきたし、中央を走る有意な凹みが、まさに縫合と一致を見る

のである。或いは、梅園は所蔵者である和田氏から、「これは鶉貝という、なかなか模様の美しい貝なのだが、惜しいかな、欠けた一部でしかない。しかし、一つ、描いておく価値はあると思う。」などという慫慂を受けたものかも知れない。以上、大方の御叱正を俟つものではある。]

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