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2022/10/18

曲亭馬琴「兎園小説余禄」 目黑魚

 

[やぶちゃん注:「兎園小説余禄」は曲亭馬琴編の「兎園小説」・「兎園小説外集」・「兎園小説別集」に続き、「兎園会」が断絶した後、馬琴が一人で編集し、主に馬琴の旧稿を含めた論考を収めた「兎園小説」的な考証随筆である。

 底本は、国立国会図書館デジタルコレクションの大正二(一九一三)年国書刊行会編刊の「新燕石十種 第四」のこちらから載る正字正仮名版を用いる。

 本文は吉川弘文館日本随筆大成第二期第四巻に所収する同書のものをOCRで読み取り、加工データとして使用させて戴く(結果して校合することとなる。異同があるが、必要と考えたもの以外は注さない)。

 句読点は自由に変更・追加し、記号も挿入した。]

 

   ○目黑魚

天保三年壬辰の春二月上旬より三月に至て、目黑魚【鮪の類なり。】、最、下直也。いづれも中まぐろにて、二尺五、六寸、或は、三尺許のもの、小田原河岸の相場、「一尾、二百文也。」など聞えしが、後には裁賣[やぶちゃん注:「きりうり」。]も、片身、百文、ちひさきは、八十文に賣たり。巷路々々に、まぐろ、たち賣をなすもの、多くあり。わづかに廿四文許、費せば、兩三人、飯のあはせ物にして、なほ、あまりあり。かくまで、まぐろの多く捉られたる事は、おぼえず。さりながら、旬はづれの魚なれば、味ひ、可ならず。「餘魚、最、高料にて、河岸にも稀也。」といふ。さればにや、鯛・平魚・ほふぼふ・かながしらなど、春の物ながら、賣あるくものは、なかりき。一奇といふべし。無益の事ながら、後の話柄の爲に、しるしつ【壬辰三月四日記。】。

[やぶちゃん注:「天保三年壬辰の春二月上旬より三月」グレゴリオ暦で一八三二年三月十二から四月三日(陰暦三月四日)相当。

「最、下直也」「もつとも、げぢきなり」。最安値を更新したことを言う。因みに、天保元年で米一升の小売値は百五十文、酒一升は百二十から二百文であった。

「小田原河岸」現在の中央区築地六丁目(グーグル・マップ・データ)。

「平魚」「旬」と言っているので、条鰭綱カレイ目カレイ亜目ヒラメ科ヒラメ属ヒラメ Paralichthys olivaceus ととっておく。

「ほふぼふ」新鰭亜綱棘鰭上目カサゴ目コチ亜目ホウボウ科ホウボウ属ホウボウ Chelidonichthys spinosus

「かながしら」ホウボウ科カナガシラ属カナガシラ Lepidotrigla microptera 。思わず、馬琴の魚の好みが判る形となっている。

「無益の事ながら、後の話柄の爲に、しるしつ」あんまり、以下の話の枕にはなっていないと思うがなぁ。]

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