「續南方隨筆」正規表現版オリジナル注附 「話俗隨筆」パート 糊の滓
[やぶちゃん注:「續南方隨筆」は大正一五(一九二六)年十一月に岡書院から刊行された。
以下の底本は国立国会図書館デジタルコレクションの原本画像を視認した。今回の分はここ。但し、加工データとして、サイト「私設万葉文庫」にある、電子テクスト(底本は平凡社「南方熊楠全集」第二巻(南方閑話・南方随筆・続南方随筆)一九七一年刊)を使用させて戴くこととした。ここに御礼申し上げる。疑問箇所は所持する平凡社「南方熊楠選集4」の「続南方随筆」(一九八四年刊・新字新仮名)で校合した。
注は文中及び各段落末に配した。彼の読点欠や、句点なしの読点連続には、流石に生理的に耐え切れなくなってきたので、向後、「選集」を参考に、段落・改行を追加し、一部、《 》で推定の歴史的仮名遣の読みを添え(丸括弧分は熊楠が振ったもの)、句読点や記号を私が勝手に変更したり、入れたりする。
なお、標題は「のりのかす」と読む。]
糊の滓 (大正二年五月『民俗』第一年第一報)
處女が、糊のすり滓を握り、灸り食らへば、嫁する時、犬に吠《ほえ》らる。此物、犬と老人のみ、正《まさ》に食らふべければ也。(紀州田邊)
[やぶちゃん注:「選集」で一部を増補改変した。女性としてはしたない行為だからであろう。]
« 「續南方隨筆」正規表現版オリジナル注附 「話俗隨筆」パート 羊を女の腹に𤲿きし話 | トップページ | 「續南方隨筆」正規表現版オリジナル注附 「話俗隨筆」パート 無眼、一眼、二眼 »