毛利梅園「梅園介譜」 蛤蚌類 小蝶介 / 不詳(アオサギガイ?)
[やぶちゃん注:底本の国立国会図書館デジタルコレクションのここ。画像はトリミングしてある。左丁に、『以上筑前産』と条立てし、後に『筑前隱士君ヨリ小澤弾正江被送予乞之眞寫』(筑前の隠士君(いんしくん:匿名化してある)より小澤弾正え(へ)送らる。予、之れを乞ひて眞寫す。)と記す。十二個体(腹足類一種以外は斧足類)の見開き図。]
小蝶介
[やぶちゃん注:「こてふがひ」と読んでおく。いくら睨めっこしても、図が小さく、しかもぼやけて見えることから、ピンとくるものがなかった。他の電子化注作業にかまけて、ペンディングが長くなり過ぎたので、「不詳」で出したが、私が一番それらしく思えたのは、色と形状と分布域から、
斧足綱ザルガイ目ニッコウガイ科サマコマ属アオサギガイPsammacoma gubernaculum
ではあった。当該種は殻長約四・五センチメートルで、殻は長い卵形を成し、膨らみは弱く、扁平。殻は、やや薄く、白色で殻頂部は、やや青みを帯びる。後背縁は短く直線的である(「愛知県れっど・データブック2020」の当該種のPDFの木村昭一氏の記載に拠った)。別の人物による国立国会図書館デジタルコレクションの明度の高い写本では、頭頂部の青みがはっきりと認識出来る。
より確度の高い候補種があれば、御教授下さると、恩幸、これに過ぎたるはない。]
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