フォト

カテゴリー

The Picture of Dorian Gray

  • Sans Souci
    畢竟惨めなる自身の肖像

Alice's Adventures in Wonderland

  • ふぅむ♡
    僕の三女アリスのアルバム

忘れ得ぬ人々:写真版

  • 縄文の母子像 後影
    ブログ・カテゴリの「忘れ得ぬ人々」の写真版

Exlibris Puer Eternus

  • 僕の愛する「にゃん」
    僕が立ち止まって振り向いた君のArt

SCULPTING IN TIME

  • 熊野波速玉大社牛王符
    写真帖とコレクションから

Pierre Bonnard Histoires Naturelles

  • 樹々の一家   Une famille d'arbres
    Jules Renard “Histoires Naturelles”の Pierre Bonnard に拠る全挿絵 岸田国士訳本文は以下 http://yab.o.oo7.jp/haku.html

僕の視線の中のCaspar David Friedrich

  • 海辺の月の出(部分)
    1996年ドイツにて撮影

シリエトク日記写真版

  • 地の涯の岬
    2010年8月1日~5日の知床旅情(2010年8月8日~16日のブログ「シリエトク日記」他全18篇を参照されたい)

氷國絶佳瀧篇

  • Gullfoss
    2008年8月9日~18日のアイスランド瀧紀行(2008年8月19日~21日のブログ「氷國絶佳」全11篇を参照されたい)

Air de Tasmania

  • タスマニアの幸せなコバヤシチヨジ
    2007年12月23~30日 タスマニアにて (2008年1月1日及び2日のブログ「タスマニア紀行」全8篇を参照されたい)

僕の見た三丁目の夕日

  • blog-2007-7-29
    遠き日の僕の絵日記から

サイト増設コンテンツ及びブログ掲載の特異点テクスト等一覧(2008年1月以降)

無料ブログはココログ

« 明恵上人夢記 97 | トップページ | 明恵上人夢記 99 »

2022/12/23

明恵上人夢記 98

 

98

  同七月より、一向に佛光觀を修(しゆ)す。

一、廿八日、末法尓觀(まつぽふにくわん)の時、禪中、好相(かうさう)の中(うち)に、我が身、一院(いちゐん)の御子(みこ)と爲(な)る【如來の家に生るゝ也。】。

[やぶちゃん注:「97」の注で示した通り、承久二(一二二〇)年説をとる。特にこれは、明らかに前の「六月」で始まる「97」と連続するものと考えてよく、そこに有意に共通する心理が認められると考えてよい。

「好相」「相好(さうがう(そうごう))」に同じい。仏の身体に備わっている三十二の相と八十種の特徴の総称。但し、訳では有難い映像と意訳した。

「末法尓觀」よく判らないが、「尓」は「その・それ」の指示語、「然り・そうである」の意であるから、末法であることをまずは正面から仮に認めることから始める観想法なのであろう。

「一院」底本の注に、『後鳥羽院か』とある。]

 

□やぶちゃん現代語訳

98

 同年七月より、専心して仏光観を修(しゅ)した。

 その七月二十八日のこと、その時は末法尓観(まつぽうにかん)を修していたのであるが、その禅の最中(さなか)、非常に好ましい映像の中で、私の身が、とある高貴な一りの院(いん)の御子(みこ)として転生(てんしょう)したのであった。

 ――付け加えて言い換えるならば、既にして「如来の家」に生まれ変わったという意味なのである。

 

« 明恵上人夢記 97 | トップページ | 明恵上人夢記 99 »