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2023/02/09

大手拓次詩畫集「蛇の花嫁」 「胸をしめつくる悲しみ (斷章七篇)」

 

[やぶちゃん注:底本その他は始動した一回目の私の冒頭注を参照されたい。特にソリッドに公開したのには意味はない。後の篇の「🦋」は前に使用したように、それとなく置いたもので、元は白抜きで、 もっとシンプルな図柄である。]

 

 胸をしめつくる悲しみ (斷章七篇)

 

   🦋

 

わがこころ搖れながら

きみをしのべり

しだり葉の 雨になびくがごとく

 

   🦋

 

汝がおもひ わが胸にみちくれば

えしれざる淚あふれて

身をしむるがごとし

 

   🦋

 

わが眉も わが頰も

また わが髮も くちびるも

かなしみを たたへつつあり

 

   🦋

 

[やぶちゃん注:途中であるが、この前の前の詩篇の後ろ二行と、この詩篇が、見開きのここの右ページに載るが、その左ページには中央やや右に、手書きで、「蛙のたたかひ」(「かひ」は左下に分離)という、やはりキャラっぽくも奇形的なデッサンが挿入されている。右上には「1920,5,30」というクレジットが同じく手書きで記されてある。今までの絵も総て同じだが、挿絵ページは別刷差込綴じなので、裏は何もなく、ノンブルも打たれず、ページとしても数えられていない。少なくとも、ここの場合、断章詩篇の中に、突然、詩篇とは全く無関係な奇妙な絵が出て来るので、読者は甚だ面食らうこと請け合いで、この辺り、編者の逸見享氏の意図が、ちょっと読めない。というか、今までの拓次のデッサン群は、その置かれた位置の次から数えて十八ページ相当に定期的に出現しているので、そこに張り込み用のノンブルなしの台紙を全紙の時にセットした製本であったと考えれば、拓次のデッサンは詩篇とは殆んど関係を持たずに配されてあると考えてよいようである。なお、所持する岩波文庫原子朗先生の編になる「大手拓次詩集」(一九九一年刊)のパート標題ページの下方に、このデッサンが使用されていたので、トリミング補正して、相当箇所の私の注の中に掲げておく。

 

Kaherunotatakahi

 

同書には特に転載禁止事項を挙げておらず、さらに、平面的に撮影されたパブリック・ドメインの画像には著作権は発生しないというのが、文化庁の公式見解である。]

 

わが手のゆびも

わがまなざしも

わが足も

なげきのなかに しづむのみ

 

   🦋

 

わが心には ほがらなる朝はなく

ゆふべのみ ゆふべにつづき

ほのぐらき空の默せり

 

   🦋

 

くろく鳥 羽音(はおと)かくして

とびゆけり

そは わが心にや

 

   🦋

 

汝が心のあとを

とめゆけど

つばさなき わがこころ

ゆくへをしらず

 

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