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2023/04/02

大手拓次譯詩集「異國の香」 滿月の夜に(カール・バッス)

 

[やぶちゃん注:本訳詩集は、大手拓次の没後七年の昭和一六(一九三一)年三月、親友で版画家であった逸見享の編纂により龍星閣から限定版(六百冊)として刊行されたものである。

 底本は国立国会図書館デジタルコレクションの「国立国会図書館内/図書館・個人送信限定」のこちらのものを視認して電子化する。本文は原本に忠実に起こす。例えば、本書では一行フレーズの途中に句読点が打たれた場合、その後にほぼ一字分の空けがあるが、再現した。]

 

  滿 月 の 夜 に バツス

 

滿月の夜るはいつも、 樹の茂つた深い谿のなかに

さかり時の角鹿(つのじか)が咆(ほ)える、

臆病な鼠のやうにおだやかな足つきで

銀色をした金雀枝(えにしだ)の叢を通りぬけながら。

 

わたしは憧憬(あこがれ)の息づまるやうな狂暴に

怪しく捉へられ、 抑へつけられた、

そして、 私は私の胸に

あらあらしい燃燒を制してゐる淚を感じる。

 

[やぶちゃん注:この「カール・バツス」(巻末目次に拠る)は恐らく、ドイツの詩人・作家のカール・ヘルマン・ブッセ(Karl Hermann Busse 一八七二年~一九一八年)のことと思われる。サイト「研究余録 ~全集目次総覧~」のこちらに、白凰社版「大手拓次全集」の目次が載るが、そこに

『満月の夜に(カール・ブッセ)』とあるからである。

「金雀枝(えにしだ)」双子葉植物綱マメ目マメ科エニシダ属 Cytisus ウィキの「エニシダ属」によれば、『Argyrocytisus(ギンヨウエニシダ属)、Genista(ヒトツバエニシダ属)、Spartium(レタマ属)など』実に二十五『属約』二百『種でエニシダ節(Genisteae)を構成しており、これらをまとめてエニシダ(英語ではbroom)と呼ぶことがある』とする。以下、エニシダ Cytisus scoparius について、『原産地が地中海沿岸の低木。開花期は春。明治期に導入され、湘南地方など』、『海岸沿いの温暖な砂地の庭木や』、『公園用樹として植えられている。また、この種は成熟すると』、『殻が激しく爆発することで遠くへ飛んでいくことが知られている。時には』十五メートル『ほど飛んでいくこともある。全草にスパルテイン、サロタムニン、ゲニステイン、スコバリンなどのアルカロイドを含み、有毒』とする一方で、交雑種ヒメエニシダ Cytisus × spachianusを挙げ、『原産地が地中海沿岸の低木。開花期は春。「エニシダ」として鉢植で売られているものは、実は本種であることが多い』とあった。なお、小学館「日本大百科全書」のエニシダの「文化史」の項には、本邦には延宝年間(一六七三年~一六八一年)に渡来したとされ、書物に出るのは、「増補地錦抄」(宝永七(一七一〇)年刊)が最初で、「エニスタ」の名を確認出来る。「地錦抄附録」には「エニスダ」と書かれ、後に「エニシダ」となったが、その語源はラテン語の「ゲニスタ」(genista)で、オランダ読みの「ヘニスタ」から由来する、とあった。]

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