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2023/07/07

佐藤春夫譯「支那厯朝名媛詩鈔 車塵集」正規表現版 「もみぢ葉」靑溪小姑

[やぶちゃん注:書誌・底本・凡例等は初回を見られたい。本篇はここ。]

 

  も み ぢ 葉

            日  暮  風  吹

            落  葉  依  枝

            寸  心  丹  意

            愁  君  未  知

                 靑 溪 小 姑

 

日はくれ風ふき

枝に葉は落つ

もゆる思ひは

君に知られず

 

   ※

靑溪小姑  五世紀。 宋の秣陵尉(まつりやうい)蔣子文(しやうしぶん)の第三妹である。 靑溪はその居住の地名で小姑(せうこ)といふのは學藝ある貴婦人に對する敬稱である。 簡素な文字のなかに情感の溢れてゐるのを見る可きである。

   ※

[やぶちゃん注: 調べたところ、標題は「落葉」である。

・「秣陵尉蔣子文」「秣陵」現在の南京市。後漢時代の同所の県の県長相当の人物。かの四世紀に東晋の干宝が著した志怪小説集「捜神記」の巻五の冒頭で、死後、土地神となって、永く民から祀られた話が載る。

 以下、推定訓読を示す。

   *

 落葉(らくえふ)

日 暮れ 風 吹き

落ち葉するも 枝(えだ)に依(よ)るあり

寸心(すんしん)の丹意(たんい)

愁(うれ)ふ 君の未だ知らざるを

   *

・「寸心」ちっぽけな私の心。

・「丹意」赤心。真心。ここは燃えるような恋心。]

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