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2023/08/16

フライング単発 甲子夜話卷之二十六 4 神崎の蟒【平戶】

[やぶちゃん注:現在、作業中である柴田宵曲「随筆辞典 奇談異聞篇」のために必要となったので、フライングして電子化する。句読点の変更・追加と、読み・記号・改行・段落を加えた。]

 

26ー4

 平戶神崎(こうざき)の溪間(たにま)に、細竹(ほそだけ)、繁生(はんじやう)せる所あり。

 一日(いちじつ)、某士の僕(しもべ)つれだちて、こゝに來り、

「竹を伐(きら)ん。」

とするに、溪そこに、何やらん、大(おほき)なる松の木を、橫たへたる如きもの見ゆ。

 あやしく思ひ、山腹の石を轉(ころが)したれば、かの大木(たいぼく)、動きたる故、驚きて、よく視れば、蟒(うはばみ)なり。

 僕等(しもべら)、大(おほい)に懼れ、跡をも見ずして、逃げ歸れり。

 その大きさ、二尺まはりもありしと云ふ。

 また、その邊に漁(すなどり)する蜑(あま)ありしが、或日、舟行(ふなゆき)するあたりを、大魚(たいぎよ)あつて、首を出《いだ》して泳ぎゆくゆゑ、

『鰻(うなぎ)ならん。』

と思ひ、鋒(ほこ)【「鋒」は方言「モリ」。これを擲(なげうち)て魚を刺すの用。手繩あり。數尋(すひろ)なり。】を擲て、これを突(つく)に、その身に中(あた)れりと覺しく、やがて反側(はんそく)して、苦しむ體(てい)なり。

 見れば、蟒なり。

 蜑、大に怖れ、もりも、手繩も、そのまゝ捨(すて)て逃げ去れりと。

 これより後(のち)は、此邊(このあたり)に蟒を見ること、絕えたりとなん。

「思ふに、蟒の、海を渡り、近嶋(ちかきしま)に移り、その處の山に入(いら)んと爲(な)し、中途にて、害に遭ひしなるべし。」

と、人々、云ひあへり。

■やぶちゃんの呟き

「神崎」「フライング単発 甲子夜話卷之二十六 6 平戶の海邊にて脚長を見る事」で注したが、長崎県平戸市大久保町神崎地区であろう。南で薄香湾(うすかわん)を望む。「ひなたGPS」で戦前の地図を見たが、山名はないが、西の岬のピーク『106.1』或いは、『神崎』の地名の南に『97』のピークがあるので、その孰れかであろう。前者か。

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