フライング単発 甲子夜話卷之十二 25 博徒狐蠱を退くる事
[やぶちゃん注:現在、作業中である柴田宵曲「随筆辞典 奇談異聞篇」のために必要となったので、フライングして電子化する。句読点の変更・追加と、読み・記号・改行・段落を加えた。標題の「狐蠱」は「ここ」と読み、この場合は「狐憑き」に同じ。]
12―25
狐つきありて、醫藥は勿論、僧巫(そうふ)の祈禱にても、離れず、爲(せ)ん方(かた)なきおり[やぶちゃん注:ママ。]から、或る博徒ありて、
「これを、落さん。」
と云(いふ)。
因(よつ)て、これに賴む。
博徒、乃(すなはち)、鮪(まぐろ)の肉を、夥しく、すりみにして、狐つきの總身(そうみ)に塗り、屋柱(やばしら)に縛りつけ、畜犬(かひいぬ)を連れ來(きた)れば、犬、喜んで、滿身を舐(ねぶ)りけるに、狐つき、大いに恐怖し、震ひ叫びけるが、頓(やが)て狐おちたりとぞ。
■やぶちゃんの呟き
う~ん、この退治法、凄いぞ!
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