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2023/10/20

甲子夜話卷之七 20 玉胡蝶とあだ名せし或侯の事

7-20

 予、嘗(かつて)勤仕(ごんし)のとき、姬路候邸の明樂(みんらく)を觀(み)に往(ゆき)たるに、坐客、多かりける。

 其中(そのうち)、今の福山閣老も、いまだ、世子にて、あり。亡友、市橋氏も、大番頭(おほばんがしら)にて、ありし。此餘は忘れたり。

 皆、一時、文才の人なりし。

 其上客は、葵章(あふひのしるし)の貴族にて有(あり)しが、席上に、「樂舞番づけ」の有しを見られ、

「『玉胡蝶』とあるは、『たまこてふ』なるや。」

と、予に問はるれば、予、乃(すなはち)、

「然り。」

と答(こたへ)たり。

『餘りに、文盲なることにて、音と訓の差別も、無きや。』

と思ひし。

 是よりして、かの候を竊(ひそか)に目(もく)して、

「たまこてふ」

と呼(よび)ける。

 或人、曰(いはく)、

「此候、ある日、中屋敷(なかやしき)に行(ゆか)るゝ途次にて、藍輿中(あゐこしうち)の烟架(たばこかけ)を、花やかに飾りたてたるにて、喫烟(きつえん)せらるゝを、行人の中より、ずかずかと輿窓(こしまど)へ、己(おのれ)の烟管(きせる)を入(いれ)て、

『火を借り候はん。』

と云し。」

と、なり。

 輿邊(こしあたり)には、多くの從者もあるに、いかゞして留(とむ)ることもせざりしや。

 定めて、風狂人なるべけれども、其人が其人なれば、かゝる珍事も、あるものかと、思はるれ。

■やぶちゃんの呟き

「明樂」明から渡来した楽焼のことであろう。

「福山閣老」備後国福山藩第五代藩主で老中であった阿部正精(まさきよ)か。静山より十五年下で、。享和三(一八〇三)年に三十歳で家督を相続している。

「烟架(たばこかけ)」意味不明で、勝手に訓じた。

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