フライング単発 甲子夜話卷十八 28 尊號を入墨したる者取計の事
[やぶちゃん注:現在、作業中である柴田宵曲「随筆辞典 奇談異聞篇」のために必要となったので、フライングして電子化する。句読点の変更・追加と、読み・記号・改行・段落を加えた。注はいらんだろう。]
18―28 尊號を入墨したる者(もの)取計(とりはからひ)の事
世に嗚呼(おこ)の者も有りけるもの哉(かな)。
日光山の尊號を、頸より、肩さきに、大文字(だいもんじ)に入墨に爲(し)たるものあり。
罪ありて、死刑に處し、首を刎(はね)んとせしとき、
「尊號へ、刀を當(あて)ては。」
とて、先づ、其日、免(まぬか)れ、遂に永牢(えいらう)になりし、と云(いふ)。
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