「博物誌」ルナアル作・岸田國士譯(正規表現版・ボナール挿絵+オリジナル新補注+原文) 「鼬」
[やぶちゃん注:本電子化はサイトの「心朽窩新館」で偏愛する『ジュール・ルナール「博物誌」岸田国士訳(附 Jules Renard “ Histoires Naturelles ”原文+やぶちゃん補注版)』を公開している(新字新仮名戦後版)が、今回は国立国会図書館デジタルコレクションの正字正仮名のもの、戦前の岸田國士譯ジュウル・ルナアル 「博物誌」(昭一四(一九三九)年白水社刊)の画像(リンク先は当該書の標題附き扉二)を視認出来るようになったことから、それをブログ版として、新規まき直しで、零から始めることとしたものである。詳しくは初回の冒頭注を参照されたい。
また、ボナールの画像に就いては、十六年前のそれではなく、再度、新潮文庫版のそれを、新たにOCRで読み込み、補正・清拭して用いる。注も一からやり直すこととし、原文は前回のものを調べたところ、アクサンテギュの落ちが有意に認められたので(サイト版は敢えてそのままにしておいた)、新たにフランスのサイト“TEXTES LIBRES”の電子化された同書原文のものをコピー・ペーストさせて戴くこととすることとした。]
鼬(いたち)
貧乏な、然し、さつぱりした品のいい鼬先生。ひよこひよこと、道の上を往つたり來たり、溝から溝へ、また穴から穴へ、時間ぎめの出張敎授。
[やぶちゃん注:新潮文庫版にはボナールの該当する絵はない。「Internet archive」のフラマリオン版(一九〇四年版)でも絵はない。これは後の「やまかがし」の欠落と奇妙な合致点と言える(勿論、すべての話に挿絵がついていると言うわけではないのだが)。なお、先行する「ぶどう畑のぶどう作り ジュウル・ルナアル 岸田国士訳」の中に既にある。哺乳綱食肉目イヌ亜目イタチ科イタチ亜科イタチ属ヨーロッパケナガイタチ Mustela putorius を挙げておくのが無難か。]
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LA BELETTE
Pauvre, mais propre, distinguée, elle passe et repasse, par petits bonds, sur la route, et va, d'un fossé à l'autre, donner, de trou en trou, ses leçons au cachet.
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