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2023/12/11

「にんじん」ジュウル・ルナアル作・岸田國士譯(正規表現版・ヴァロトン挿絵+オリジナル新補注+原文) 「終局の言葉」

[やぶちゃん注:ジュール・ルナール(Jules Renard 一八六四年~一九一〇年)の “ Poil De Carotte(原題は訳すなら「人参の毛」であるが、これはフランス語で、昔、「赤毛の子」を指す表現である。一八九四年初版刊行)の岸田国士による戦前の翻訳である。

 私は既にサイト版「にんじん ジュウル・ルナアル作 岸田国士訳 挿絵 フェリックス・ヴァロトン(注:やぶちゃん copyright 2008 Yabtyan)」で、新字新仮名遣のそれを十五年前に電子化注している。そこでは、底本は岩波文庫版(一九七六年改版)を用いたが、今回は、国立国会図書館デジタルコレクションのジュウル・ルナアル作岸田國士譯「にんじん」(昭和八(一九三三)年七月白水社刊。リンクは標題のある扉)を用い、正字正仮名遣で電子化し直し、注も新たにブラッシュ・アップする。また、本作の挿絵の画家フェリックス・ヴァロトンFelix Vallotton(一八六五年~一九二五年:スイス生まれ。一八八二年にパリに出、「ナビ派」の一員と目されるようになる。一八九〇年の日本版画展に触発され、大画面モノクロームの木版画を手掛けるようになる。一九〇〇年にフランスに帰化した)の著作権も消滅している。上記底本にはヴァロトンの絵はない(当時は、ヴァロトンの著作権は継続していた)が、私は彼の挿絵が欠かせないと思っているので、岩波版が所載している画像を、今回、再度、改めて取り込み、一部の汚損等に私の画像補正を行った。

 ルビ部分は( )で示したが、ざっと見る限り、本文を含め、拗音・促音は使用されていないので、それに従った。傍点「丶」は下線に代えた。底本の対話形式の部分は、話者が示されダッシュとなる一人の台詞が二行に亙る際、一字下げとなっているが、ブラウザの不具合が起きるので、詰めた。三点リーダは「…」ではなく、「・・・」であるのはママである。各話の末尾に若い読者を意識した私のオリジナルな注を附した(岸田氏の訳は燻し銀であるが、やや語彙が古いのと、私(一応、大学では英語が嫌いなので、第一外国語をフランス語にした)でも、原文と照らしてみて、首をかしげる部分が幾分かはある。中学二年生の時、私がこれを読んだときに立ち返ってみて、当時の私なら、疑問・不明に思う部分を可能な限り、注した。原文はフランスのサイト“Canopé Académie de Strasbourg”の“Jules Renard OIL DE CAROTTE (1900)”PDF)のものをコピーし、「Internet archive」の一九〇二年版の原本と校合し、不審箇所はフランス語版“Wikisource”の同作の電子化も参考にした。詳しくは、初回の冒頭注を参照されたい。

 なお、本章は二章から成るが、「二」は、改ページで右ページで配されてあるため、「二」の終りは、ここに見る通り、八行(「一」の後の七行分+「二」の前の一行分)行空けが施されている。ここでは、意味がないので、二行空けとした。]

 

Syuukyokunokotoba

 

     終局の言葉

 

 

 夕方、食事が濟む。ルピツク夫人は、病氣で寢てゐるので、一向姿を見せない。みんな默りこくつてゐる。習慣からでもあり、また、遠慮からでもある。ルピツク氏は、ナフキンを結び、そいつを食卓の上へ投げ出し、そして云ふ――

 「舊道の羊飼場まで散步に行くが、一緖に來ないか、誰も?」

 にんじんは、ルピツク氏がかういふ方法で彼を誘ひ出すのだと氣がつく。彼は同じく起ち上り、椅子を何時もの通り壁の方へ運び、おとなしく父親の後に從ふ。

 初めのうち、彼等は默つて步く。訊問はすぐには開かれない。たゞ、避けることは不可能だ。にんじんは、頭の中で、凡その見當をつけてみる。そして、返答のしかたを稽古してみる。用意ができた。激しくゆすぶられた揚句の彼は、いま聊かも後悔するところはない。晝間あれほどの大事件にぶつかつたのだ。それ以上の何を怖れるものか。ところで、ルピツク氏は、決心をする。その聲がまた、にんじんを安堵させた。

 

ルピツク氏――何を待つてるんだ? 今日、お前がやつたことは、どういふんだ、あれや? わけを云つてみろ。母さんはあんなに口惜しがつてるぢやないか。[やぶちゃん注:「口惜しがつてる」戦後版では、『口惜(くや)しがってる』。それに従い、「くやしがつてる」と読んでおく。]

にんじん――父さん、僕、今迄永い間、云ひだせずにゐたの。だけど、好い加減に形(かた)をつけちやはう。僕、ほんとを云ふと、もう、母さんが嫌ひになつたよ。

ルピツク氏――ふむ。どういふところが? 何時から?

にんじん――どういふところつて、どこもかしこも・・・。母さんの顏を覺えてからだよ。

ルピツク氏――ふむ。そいつは嘆かはしいこつた。せめて、母さんがお前にどんなことをしたか、話してごらん。

にんじん――長くなるよ、そいつは。それに、父さん、氣がつかない、なんにも?

ルピツク氏――つかんことはない。お前がよく膨れつ面をしてるのを見たよ。

にんじん――僕、膨れるつて云はれると、なほ癪に障るんだ。それやむろん、にんじんは、眞劍に人を恨むなんてこと、できないんだよ。奴さん、膨れつ面をするだらう。ほつとけばいゝのさ。するだけしたら、落ちつくんだ。機嫌を直して、隅つこから出て來るよ。殊に、奴さんにかまつてる風をしちやいけない。どうせ、大したことぢやないんだから。御免よ、父さん。大したことぢやないつていふのは、父さんや母さんや、それから、ほかのものにとつてはさ。僕あ、時々膨れつ面をするよ。それやそれに違ひないけど、たゞ形の上さ。しかし、どうかすると、まつたくの話、心の底から、何をツていふ風に、腹を立てることもあるの。で、その侮辱は、もう、どうしたつて忘れやしないさ。[やぶちゃん注:「奴さん」「やつこさん」誤読のしようはないが、老婆心乍ら、「にんじん」自身が、自分をルピック夫人に成り代わって、三人称で指しているのである。]

ルピツク氏――まあ、まあ、さう云はずに、忘れちまへ。揶揄(からか)はれて怒る奴があるか。

にんじん――うゝん、うゝん、あうぢやないよ。父さんはすつかり知らないからさ。家にゐることは、さうないんだもの。

ルピツク氏――出步かにやならんのだ。しやうがない。

にんじん(我が意を得たりといふ風に)――仕事は仕事だよ、父さん。父さんは、いろんなことに頭を使つてるから、それで氣が紛れるんだけど、母さんと來たら、今だから云ふけど、僕をひつぱたくより外に、憂さばらしのしやうがないんだよ。それが、父さんの責任だとは云はないぜ。なに、僕がそつと云ひ吩けれやよかつたのさ。父さんは、僕の味方になつてくれたんだ。これから、ぼつぼつ、もう以前(せん)からのこと話してみるよ。僕の云ふことが大袈裟かどうか、僕の記憶がどんなもんだか、みんなわかるさ。だけどね、父さん、早速、相談したいことがあるの。[やぶちゃん注:「云ひ吩けれや」「いひつけれや」。]

僕、母さんと別れちやいたいんだけど・・・。

どう、父さんの考へで、一番簡單な方法は?

ルピツク氏――一年に二た月、休暇に會ふだけぢやないか?

にんじん――その休暇中も、寮に殘つてちやいけない? さうすれや、勉强の方も進むだらう?

ルピツク氏――さういふ特典があるのは、貧乏な生徒だけだ。そんなことでもしてみろ、世間ぢいや、わしがお前を捨てたんだつて云はあ。それに第一、自分のことばかり考へちやいかんよ。わしにしてみてからが、お前と一緖にをられんやうになるぢやないか。

にんじん――面會に來てくれゝばいゝんだよ、父さん。

ルピツク氏――慰みの旅行は、高くつかあ、にんじん。

にんじん――是非つていふ旅行を利用したら・・・? ちよつと廻り路をしてさ。

ルピツク氏――いや、わしは、今迄、お前を兄貴や姉さんとおんなじに取扱つて來た。誰を特別にどうするつていふことは、決してしなかつた。そいつは變へるわけにいかん。

にんじん――ぢや、學校の方を止そう。寮を出しておくれよ。お金がかゝりすぎるとでも云つてさ。さうすれや、僕、何か職業を撰ぶよ。

ルピツク氏――どんな? 早い話が、靴屋へでも丁稚奉公にやつて欲しいつていふのか?

にんじん――さうでもいゝし、何處だつていゝよ。僕、自分の食べるだけ稼ぐんだ、さうすれや、自由だもの。

ルピツク氏――もう遲い、にんじん。靴の底へ釘を打つために、わしはお前の敎育に大きな犧牲を拂つたんぢやない。

にんじん――そんなら、若し僕が、自殺しようとしたことがあるつて云つたら、どうなの?

ルピツク氏――おどかすな、やい。

にんじん――噓ぢやないよ。父さん、昨日だつて、また、僕あ、首を吊らうと思つたんだぜ。

ルピツク氏――ところで、お前はそこにゐるぢやないか。だから、まあまあ、そんなことはしたくなかつたんだ。しかも、お前は、自殺を仕損つたといふ話をしながら、得意さうに、頤を突き出してゐる。今迄に、死にたいと思つたのは、お前だけのやうに考へてゐるんだ。やい、にんじん、我身勝手の末は恐ろしいぞ。お前はそつちへ布團をみんな引つ張つて行くんだ。世の中は自分一人のもんだと思つてる。

にんじん――父さん、だけど、僕の兄貴は幸福だぜ。姉さんも幸福だぜ。それから若し母さんが、父さんの云ふやうに、僕を揶揄つて、それがちつとも樂しみぢやないつて云ふんなら、僕あ、なにがなんだかわからないよ。その次ぎは、父さんさ。父さんは威張つてる。みんな怖わがつて[やぶちゃん注:ママ。以下も同じ。]ゐるよ。母さんだつて怖わがつてるさ。母さんは、父さんの幸福に對して、どうすることもできないんだ。これはつまり、人類の中に、幸福なものもゐるつていふ證據ぢやないか。

ルピツク氏――融通の利かない小つぽけな人類だよ、お前は。その理窟は、屁みたいだ、それや。人の心が、いちいち奧底まで、お前にはつきり見えるかい?

ありとあらゆることが、もう、ちやんとわかるのか、お前に・・・?

にんじん――僕だけのことならだよ、あゝ、わかるよ、父さん。少なくとも、わからうと努めてるよ。

ルピツク氏――そんならだ。いゝか、にんじん、幸福なんていふもんは思ひ切れ! ちやんと云つといてやる。お前は、今より幸福になることなんぞ、決してありやせん。決して、決して、ありやせんぞ。

にんじん――いやに請合ふんだなあ。

ルピツク氏――諦めろ。鎧兜(よろひかぶと)で身を固めろ。それも、年なら二十(はたち)になるまでだ。自分で自分のことができるやうになれば、お前は自由になるんだ。性質や氣分は變らんでも、家は變へられる。われわれ親同胞(きようだい[やぶちゃん注:ママ。])と緣を切ることもできるんだ。それまでは、上から下を見おろす氣でゐろ。神經を殺せ。そして、他(ほか)の者を觀察しろ。お前の一番近くにゐる者たちも同樣にだ。こいつは面白いぞ。わしは保證しとく、お前の氣安めになるやうな、意外千萬なことが目につくから。

にんじん――それやさうさ。他の者は他の者で苦勞はあるだらうさ。でも、僕あ、明日、さういふ人間に同情してやるよ。今日は、僕自身のために正義を叫ぶんだ。どんな運命でも、僕のよりやましだよ。僕には、一人の母親がある。この母親が僕を愛してくれないんだ。そして、僕がまたその母親を愛してゐないんぢやないか。[やぶちゃん注:「明日」戦後版では「明日」『あした』とルビする。それを採る。]

 

 「そんなら、わしが、そいつを愛してると思ふのか」

 我慢ができす、ルピツク氏は、ぶつけるやうに云つた。

 これを聞いて、にんじんは、父親の方に眼をあげる。彼は、しばらく、その六ケ敷い顏を見つめる。濃い髭がある。あまり喋り過ぎたことを恥ぢるやうに、口がその中へ隱れてしまつてゐる。深い襞のある額、眼尻の皺、それから、伏せた瞼・・・步きながら眠つてゐる恰好だ。

 一つ時、にんじんは、口を利くことができない。この祕かな悅び、握つてゐるこの手、殆んど力まかせに縋つてゐるこの手、それがすべて何處かへ飛んで行つてしまふやうな氣がするのだ。

 やがて、彼は、拳を握り固め、闇の彼方に、うとうとゝ眠りかけた村の方へ、それを振つてみせる。そして、大袈裟な調子で叫ぶ――

 「やい、因業婆(いんごうばゝあ)! いよいよ、これで申分なしだ! おれはお前が大嫌ひなんだ!」

 「こら、止せ! なには兎もあれ、お前の母さんだ」

と、ルピツク氏は云ふ。

 「あゝ」と、にんじんは、再び、單純でしかも用心深い子供になり――「僕の母さんだと思つてかう云ふんぢやないんだよ」

 

[やぶちゃん注:「にんじん――僕、膨れるつて云はれると、なほ癪に障るんだ。それやむろん、にんじんは、眞劍に人を恨むなんてこと、できないんだよ。」この直接話法で、「にんじん」は、自身のことを“Poil de Carotte”と呼んでいる。これは本作の中で特異なことであると思われる。「にんじん」の“Poil de Carotte”といふ存在としての現存在としての自覚、その自己同一性が、この自己人称表現に於いて、逆に、正しく主体的自立的な「にんじん」の厳しく真面目な自己認識の印象を読者の与えるように私には思われる。

「ぼつぼつ、以前のことを話してみるよ」これは、読者を無意識的に作品の最初にフィードバツクさせ、そして、そのリピートするカット・バックが、更に効果的に新鮮なものとして読者に与えるものが、本書の掉尾の次章「にんじんのアルバム」なのである。この作品の構成は実に美事である。本作はコーダで幕が落ちる戯曲的なものではなく、すこぶる映像的なエンディングを持つのである。

「死にたいと思つたのは、お前だけのやうに考へてゐるんだ」これは「自分の意見」の「庭の井戶」同樣(同章の私の注を参照されたい)、甚だ偶然なるが故に、身震いさせる不吉な予兆的伏線となってしまうである。

「ルピツク氏――融通の利かない小つぽけな人類だよ、お前は。その理窟は、屁みたいだ、それや。人の心が、いちいち奧底まで、お前にはつきり見えるかい?」「ありとあらゆることが、もう、ちやんとわかるのか、お前に・・・?」この部分、「ありとあらゆることが、もう、ちやんとわかるのか、お前に・・・?」だけが、前から連続するルピック氏の臺詞でありながら、改行されている。岸田氏は、ここに僅かな間を置いて、ルピツク氏の、この一言を特に強調したかったものと思われる。原文のこの部分には、特にそのような操作は、なされてはいない。

「この祕かな悅び、握つてゐるこの手、殆んど力まかせに縋つてゐるこの手、それがすべて何處かへ飛んで行つてしまふやうな氣がするのだ。」先の「死にたいと思つたのは、お前だけのやうに考へてゐるんだ」に続く、本作最後の、近未来のカタストロフを後に予兆させてしまう結果としての、ルナールの父がショットガンで胸を撃ち抜いて自殺することになる、恐ろしい「死」の伏線である。

「やい、因業婆(いんごうばゝあ)! いよいよ、これで申分なしだ! おれはお前が大嫌ひなんだ!」原文は“Tais-toi, dit M. Lepic, c'est ta mère après tout.”で、この“mère”は、ここではフラットな「母」の意ではなく、俗語で、「年を取つた庶民の妻」、所謂、「小母さん」や「婆さん」の類いであり、“après tout”は、「つまり・結局」の意であるから、「默れ! ルピツク氏の女と呼ばれる者よ! おまえさんは、トドのつまり、『いけ好かねえ婆あ』に過ぎねえんだッツ!」といつた感じだろう。]

 

 

 

 

    Le Mot de la Fin

 

   Le soir, après le dîner où madame Lepic, malade et couchée, n’a point paru, où chacun s’est tu, non seulement par habitude, mais encore par gêne, M. Lepic noue sa serviette qu’il jette sur la table et dit :

   Personne ne vient se promener avec moi jusqu’au biquignon, sur la vieille route ?

   Poil de Carotte comprend que M. Lepic a choisi cette manière de l’inviter. Il se lève aussi, porte sa chaise vers le mur, comme toujours, et il suit docilement son père.

   D’abord ils marchent silencieux. La question inévitable ne vient pas tout de suite. Poil de Carotte, en son esprit, s’exerce à la deviner et à lui répondre. Il est prêt. Fortement ébranlé, il ne regrette rien. Il a eu dans sa journée une telle émotion qu’il n’en craint pas de plus forte. Et le son de voix même de M. Lepic qui se décide, le rassure.

     MONSIEUR LEPIC

   Qu’est-ce que tu attends pour m’expliquer ta dernière conduite qui chagrine ta mère ?

     POIL DE CAROTTE

   Mon cher papa, j’ai longtemps hésité, mais il faut en finir. Je l’avoue : je n’aime plus maman.

     MONSIEUR LEPIC

   Ah ! À cause de quoi ? Depuis quand ?

        POIL DE CAROTTE

   À cause de tout. Depuis que je la connais.

     MONSIEUR LEPIC

   Ah ! c’est malheureux, mon garçon ! Au moins, raconte-moi ce qu’elle t’a fait.

     POIL DE CAROTTE

Ce serait long. D’ailleurs, ne t’aperçois-tu de rien ?

     MONSIEUR LEPIC

Si. J’ai remarqué que tu boudais souvent.

     POIL DE CAROTTE

   Ça m’exaspère qu’on dise que je boude. Naturellement, Poil de Carotte ne peut garder une rancune sérieuse. Il boude. Laissez-le. Quand il aura fini, il sortira de son coin, calmé, déridé. Surtout n’ayez pas l’air de vous occuper de lui. C’est sans importance.

   Je te demande pardon, mon papa, ce n’est sans importance que pour les père et mère et les étrangers. Je boude quelquefois, j’en conviens, pour la forme, mais il arrive aussi, je t’assure, que je rage énergiquement de tout mon coeur, et je n’oublie plus l’offense.

     MONSIEUR LEPIC

   Mais si, mais si, tu oublieras ces taquineries.

     POIL DE CAROTTE

   Mais non, mais non. Tu ne sais pas tout, toi, tu restes si peu à la maison.

     MONSIEUR LEPIC

   Je suis obligé de voyager.

     POIL DE CAROTTE, avec suffisance.

   Les affaires sont les affaires, mon papa. Tes soucis t’absorbent, tandis que maman, c’est le cas de le dire, n’a pas d’autre chien que moi à fouetter. Je me garde de m’en prendre à toi. Certainement je n’aurais qu’à moucharder, tu me protégerais. Peu à peu, puisque tu l’exiges, je te mettrai au courant du passé. Tu verras si j’exagère et si j’ai de la mémoire. Mais déjà, mon papa, je te prie de me conseiller.

   Je voudrais me séparer de ma mère.

   Quel serait, à ton avis, le moyen le plus simple ?

     MONSIEUR LEPIC

   Tu ne la vois que deux mois par an, aux vacances.

     POIL DE CAROTTE

   Tu devrais me permettre de les passer à la pension. J’y progresserais.

     MONSIEUR LEPIC

   C’est une faveur réservée aux élèves pauvres. Le monde croirait que je t’abandonne. D’ailleurs, ne pense pas qu’à toi. En ce qui me concerne, ta société me manquerait.

     POIL DE CAROTTE

   Tu viendrais me voir, papa.

     MONSIEUR LEPIC

   Les promenades pour le plaisir coûtent cher, Poil de Carotte.

     POIL DE CAROTTE

   Tu profiterais de tes voyages forcés. Tu ferais un petit détour.

     MONSIEUR LEPIC

   Non. Je t’ai traité jusqu’ici comme ton frère et ta soeur, avec le soin de ne privilégier personne. Je continuerai.

     POIL DE CAROTTE

   Alors, laissons mes études. Retire-moi de la pension, sous prétexte que j’y vole ton argent, et je choisirai un métier.

     MONSIEUR LEPIC

   Lequel ? Veux-tu que je te place comme apprenti chez un cordonnier, par exemple ?

     POIL DE CAROTTE

   Là ou ailleurs. Je gagnerais ma vie et je serais libre.

     MONSIEUR LEPIC

   Trop tard, mon pauvre Poil de Carotte. Me suis-je imposé pour ton instruction de grands sacrifices, afin que tu cloues des semelles ?

     POIL DE CAROTTE

   Si pourtant je te disais, papa, que j’ai essayé de me tuer.

     MONSIEUR LEPIC

   Tu charges ! Poil de Carotte.

     POIL DE CAROTTE

   Je te jure que pas plus tard qu’hier, je voulais encore me pendre.

     MONSIEUR LEPIC

   Et te voilà. Donc tu n’en avais guère envie. Mais au souvenir de ton suicide manqué, tu dresses fièrement la tête. Tu t’imagines que la mort n’a tenté que toi. Poil de Carotte, l’égoïsme te perdra. Tu tires toute la couverture. Tu te crois seul dans l’univers.

     POIL DE CAROTTE

   Papa, mon frère est heureux, ma soeur est heureuse, et si maman n’éprouve aucun plaisir à me taquiner, comme tu dis, je donne ma langue au chat. Enfin, pour ta part, tu domines et on te redoute, même ma mère. Elle ne peut rien contre ton bonheur. Ce qui prouve qu’il y a des gens heureux parmi l’espèce humaine.

     MONSIEUR LEPIC

   Petite espèce humaine à tête carrée, tu raisonnes pantoufle. Vois-tu clair au fond des coeurs ? Comprends-tu déjà toutes les choses ?

     POIL DE CAROTTE

   Mes choses à moi, oui, papa ; du moins je tâche.

     MONSIEUR LEPIC

   Alors, Poil de Carotte, mon ami, renonce au bonheur. Je te préviens, tu ne seras jamais plus heureux que maintenant, jamais, jamais.

     POIL DE CAROTTE

   Ça promet.

     MONSIEUR LEPIC

   Résigne-toi, blinde-toi, jusqu’à ce que majeur et ton maître, tu puisses t’affranchir, nous renier et changer de famille, sinon de caractère et d’humeur. D’ici là, essaie de prendre le dessus, étouffe ta sensibilité et observe les autres, ceux même qui vivent le plus près de toi ; tu t’amuseras ; je te garantis des surprises consolantes.

     POIL DE CAROTTE

   Sans doute, les autres ont leurs peines. Mais je les plaindrai demain. Je réclame aujourd’hui la justice pour mon compte. Quel sort ne serait préférable au mien ? J’ai une mère. Cette mère ne m’aime pas et je ne l’aime pas.

   Et moi, crois-tu donc que je l’aime ? dit avec brusquerie M. Lepic impatienté.

   À ces mots, Poil de Carotte lève les yeux vers son père. Il regarde longuement son visage dur, sa barbe épaisse où la bouche est rentrée comme honteuse d’avoir trop parlé, son front plissé, ses pattes-d’oie et ses paupières baissées qui lui donnent l’air de dormir en marche.

   Un instant Poil de Carotte s’empêche de parler. Il a peur que sa joie secrète et cette main qu’il saisit et qu’il garde presque de force, tout ne s’envole.

   Puis il ferme le poing, menace le village qui s’assoupit là-bas dans les ténèbres, et il lui crie avec emphase :

   Mauvaise femme ! te voilà complète. Je te déteste.

   Tais-toi, dit M. Lepic, c’est ta mère, après tout.

   Oh ! répond Poil de Carotte, redevenu simple et prudent, je ne dis pas ça parce que c’est ma mère.

 

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