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2023/12/03

「にんじん」ジュウル・ルナアル作・岸田國士譯(正規表現版・ヴァロトン挿絵+オリジナル新補注+原文) 「ブルタスの如く」

[やぶちゃん注:ジュール・ルナール(Jules Renard 一八六四年~一九一〇年)の “ Poil De Carotte(原題は訳すなら「人参の毛」であるが、これはフランス語で、昔、「赤毛の子」を指す表現である。一八九四年初版刊行)の岸田国士による戦前の翻訳である。

 私は既にサイト版「にんじん ジュウル・ルナアル作 岸田国士訳 挿絵 フェリックス・ヴァロトン(注:やぶちゃん copyright 2008 Yabtyan)」で、新字新仮名遣のそれを十五年前に電子化注している。そこでは、底本は岩波文庫版(一九七六年改版)を用いたが、今回は、国立国会図書館デジタルコレクションのジュウル・ルナアル作岸田國士譯「にんじん」(昭和八(一九三三)年七月白水社刊。リンクは標題のある扉)を用い、正字正仮名遣で電子化し直し、注も新たにブラッシュ・アップする。また、本作の挿絵の画家フェリックス・ヴァロトンFelix Vallotton(一八六五年~一九二五年:スイス生まれ。一八八二年にパリに出、「ナビ派」の一員と目されるようになる。一八九〇年の日本版画展に触発され、大画面モノクロームの木版画を手掛けるようになる。一九〇〇年にフランスに帰化した)の著作権も消滅している。上記底本にはヴァロトンの絵はない(当時は、ヴァロトンの著作権は継続していた)が、私は彼の挿絵が欠かせないと思っているので、岩波版が所載している画像を、今回、再度、改めて取り込み、一部の汚損等に私の画像補正を行った。

 ルビ部分は( )で示したが、ざっと見る限り、本文を含め、拗音・促音は使用されていないので、それに従った。傍点「丶」は下線に代えた。底本の対話形式の部分は、話者が示されダッシュとなる一人の台詞が二行に亙る際、一字下げとなっているが、ブラウザの不具合が起きるので、詰めた。三点リーダは「…」ではなく、「・・・」であるのはママである。各話の末尾に若い読者を意識した私のオリジナルな注を附した(岸田氏の訳は燻し銀であるが、やや語彙が古いのと、私(一応、大学では英語が嫌いなので、第一外国語をフランス語にした)でも、原文と照らしてみて、首をかしげる部分が幾分かはある。中学二年生の時、私がこれを読んだときに立ち返ってみて、当時の私なら、疑問・不明に思う部分を可能な限り、注した。原文はフランスのサイト“Canopé Académie de Strasbourg”の“Jules Renard OIL DE CAROTTE (1900)”PDF)のものをコピーし、「Internet archive」の一九〇二年版の原本と校合し、不審箇所はフランス語版“Wikisource”の同作の電子化も参考にした。詳しくは、初回の冒頭注を参照されたい。

 

Burutasunogotoku

 

     ブルタスの如く

 

 

ルピツク氏――おい、にんじん、お前は前學年には、わしの望みどおり勉强しなかつた。通信簿に、もつとやれば出來る筈だと書いてある。お前はほかのことばかり考へてゐる。禁ぜられた書物を讀む。暗記力はなかなかあると見えて、試驗の點は相當よろしい。たゞ宿題を怠けるんだ。おい、にんじん、眞面目にやらうといふ氣になれ。

にんじん――大丈夫だよ、父さん。まつたく、前學年は少し好い加減にやつたところがあるよ。今度は、精一杯頑張らうつて氣が起つてるんだ。但し、全科目、級で一番つていふのは受合へないよ。

ルピツク氏――ともかく、そのつもりになつてみろ。

にんじん――いゝや、父さん、僕に望むところが大きすぎるよ。僕あ、地理や、獨逸語や、物理化學は駄目なんだ。とても出來る奴が二三人ゐるのさ。ほかのことゝきたら零(ゼロ)なくせに、そればつかりやつてるんだもの。こいつらを追ひ越すなんて不可能だよ。だけど、僕、ねえ、父さん、僕、佛蘭西語の作文でなら、近いふち、斷然牛耳つて見せるよ。そして、そいつを續けてみせるよ。それが、もし、僕の努力にもかかわらず不成功に終わつたら、少なくとも僕はみずから悔(く)ゆるところなしだ。僕は、かのブルタスのごとく誇らかに叫ぶことができる――「おお美德よ、汝(なんじ)はただ一つの名に過ぎず!」

ルピツク氏――うむ、さうだ。わしは、お前がやつらに負けないことを信じてゐる。

フエリツクス――父さんは、なんていつたい?

エルネスチイヌ――あたし、聞いてなかつたわ。

ルピツク夫人――母さんも聞いてなかつた。どら、もう一度云つてごらん、にんじん。

にんじん――うん、なんでもないよ。

ルピツク夫人――へえ? なんにも云はなかつたのかい? でも、あんなに、赤い顏をして、拳を振り上げ、えらい勢ひでぺらぺら喋つてたぢやないか? あの聲と來たら村の端まで屆くほどだつた。その文句をもう一遍云つてごらん、みんなが聽いとくと爲めになるからさ。

にんじん――それにや及ばないよ、母さん。

ルピツク夫人――いゝからさ。誰の話なの? なんていふ名前の人だつけ?

にんじん――母さんの知らない人だよ。

ルピツク夫人――なほのことぢやないか。さ、お願ひだから、戲談はやめて、母さんの云ふことをお聽き。

にんじん――そんなら云ふけど、僕たち、今、二人で話をしてたの。父さんが僕に友だちとしての忠告をしてくれたもんで、そのお禮を云ふつもりで、ふと、ある考へが浮かんだのさ。つまり、ブルタスつていふ羅馬人のうあうに、誓ひを立てる・・・つまり美德のなんたるかを・・・。

ルピツク夫人――つまりつまり、なんだい、それや・・・。しどろもどろぢやないか。それより、さつき云つた文句を、一字一句變へずに、おんなじ調子で云つてごらん。母さんは、別にペルウの國を寄越せつて云つてるわけぢやないだらう。だから、それくらゐ、母さんのためにしてくれたつていゝぢやないか。

フエリツクス――僕が云つてみようか、母さん。

ルピツク夫人――いゝえ、にんじんが先づ云つてから、その次ぎ、お前がお云ひ。兩方較べてみるから・・・さ、にんじん、早くさ。

にんじん――(うるみ聲で、呟くやうに)おゝ、び、び、びとくよ・・・なん・・・なんぢは…‥たゞ、ひとつの・・・な、なにすぎず・・・。

ルピツク夫人――なんともしやうがない。ひと筋繩ぢや動かないや、この大將は・・・。母親の氣に入ることをするくらゐなら、叩きのめされたほうがましだと思つてるんだ。

フエリツクス――どら、母さん、奴はかう云つたんだよ――(彼は眼玉をぎよろりとさせ、挑むやうな視線を投げて)若しも僕が佛蘭西語の作文で一番にならなかつたら・・・(頰を膨らませ、足を踏み鳴し)僕は、かのブルタスの如く叫ぶだらう・・・(兩腕を高く擧げ)おゝ、美德よ・・・(その腕を膝の上にどさりと落し)汝はたゞ一つの名に過ぎず! かう云つたんだよ。[やぶちゃん注:ここのみ、ト書き部分が有意にポイント落ちになっている。ブログでは、読み難くなるので、敢えて太字とした。]

ルピツク夫人――ひやひや。大出來だ。にんじん、ぢやまあ、お目出たう。それにしても、眞似は實物だけの値打はないんだから、それだけに、お前が片意地なことは、母さん、殘念だよ。

フエリツクス――だけど、にんじん、そいつを云つたのは、ほんとにブルタスだつたかい? ケエトオぢやなかつたかい?

にんじん――たしかにブルタスだ。「かくて彼は、友の一人が差し伸べし劍(つるぎ)に、われとわが身を貫いて死せり」

エルネスチイヌ――にんじんの云ふ通りだわ。そして、ブルタスは、黃金を杖に忍ばせて、氣違ひの眞似をしたのね。

にんじん――違ふよ、姉さん、そんなことを云ふと頭がこんぐらかるぢやないか。僕の云ふブルタスと姉さんのとは別物だよ。

エルネスチヌ――さうか知ら・・・。それにしてもさ、ソフイイ先生が筆記させる歷史のお講義は、あんたの學校の先生と、値打から云つて違はないわよ。

ルピツク夫人――そりや、どうでもいゝ。喧嘩はおよし。肝腎なことは、家族の一人に、ブルタスがゐるつてこつた。家(うち)には現にゐるんだ。にんじんのお蔭で、あたしたちは肩身が廣いわけだ。それに、だあれも、自分たちの名譽を知らずにゐたんだ。新しいブルタスを崇めようぢやないか。このブルタスは拉典語を司敎さんのやうに喋る。そのくせ、聾者(つんぼ)がゐても彌撒を二度繰り返してくれない。ぐるつとまわらしてごらん。正面から見ると、今日おろしたばかりの上着にもう汚點(しみ)をくつつけ、後ろから見ると、ズボンが破けてる。おゝ神樣、何處へまたもぐり込んだんだらう。戲談ぢやない、まあ、見てやつておくれ、あのブルタスにんじんの顏附をさ。しやうがないブルドツクだよ、ほんとに![やぶちゃん注:「拉典語」「ラテンご」。]

 

[やぶちゃん注:原本はここから。

「おゝ美德よ、汝はたゞ一つの名に過ぎず!」:シーザーを暗殺したガイウス・カシウスやマルクス・ユニウス・ブルータス(Marcus Junius Brutus 紀元前八五年~紀元前四二年)ら共和派は、第二回三頭政治を立ち上げたマルクス・アントニウス及びオクタビアヌスらと対立し、マケドニアのフイリッピで戦闘となつたが(紀元前四二年十月)、後者が勝利を治め、カシウス及びブルータスの自決で幕を閉じた。一九九五年臨川書店刊の佃裕文訳の『ジュール・ルナール全集』第三巻では、ここに注を附して、ブルータスは敗北の報を受けて『エウリピデスの言葉を口にしたが、これがここの有名な言葉とされた。彼はこの後、自らの剣に身を投げて死んだ。ルナールは彼を愛した。』と記す。エウリピデス(Euripides 紀元前四八〇年頃~紀元前四〇六年頃)は、古代アテナイの三大悲劇詩人の一人。

「フエリツクス――父さんは、なんて云つたい?」戦後版もこのままだが、ここは誤訳であろう。若しくは、岸田氏は、ここに時間的なインターバルを考えたのかも知れないが、その必要は本作「にんじん」の世界にあって、そうした時制的操作を考える余地はないと断言出来る。これは、「にんじんは何て言つたの、パパ?」である。これ以降、ルピック氏は、以下の「にんじん」への侮蔑に満ちた家族の会話を完全に無視している(しかし、そこに居るのである)と読むべきである。

「ペルウの國を寄越せ」昭和四五(一九七〇)年明治図書刊の『明治図書中学生文庫』14倉田清訳の「にんじん」の「ペルーの国」の注によると、『ペルーは昔、金鉱や銀鉱が豊かだつたので、ペルーということばは、巨万の富みという意味に使われ、ペルーを望むといふのは、不可能なことを望むといふ意味になる。』と記す。出来ないことをやれ、という意味である。

「ケエトオ」小カトー、こと、共和政ローマ末期の政治家マルクス・ポルキウス・カトー・ウテイケンシス(Marcus Porcius Cato Uticensis 紀元前九六年~紀元前四六年)。大カトー(マルクス・ポルキウス・カトー・ケンソリウス Marcus Porcius Cato Censorius 紀元前二三四年~紀元前一四九年:古代ローマの政治家。執政官。学者としても優れていた)の曾孫。元老院派にして、三頭政治成立後も、終始、シーザーと反目した。シーザーの実権奪取後、逃亡先のウテイカの地で虜囚の辱めを受けることを肯んぜず、割腹して内臓を摑み出して自死した。なお、ブルータスは、この小カトーの娘であるポルキアを妻とした。

「黃金を杖に忍ばせて、氣違ひの眞似をしたのね」一九九五年臨川書店刊の佃裕文訳の『ジュール・ルナール全集』第三巻は、ここに注を附して、以下のようにエルネスチヌの誤りを説明しておられる。即ち、彼女は『ルーキウス・ユーニウス・ブルートゥス(前六世紀-前五〇九?)のことと勘違いしている。こちらはローマの半伝説的英雄で、タルキニウス王にたいして民衆を蜂起せしめ、王から迫害されてゐるのを知ると狂気(ブルートゥスbrutus=馬鹿)をよそおい、デルフォイ神殿におもむき、粗末ではあるが黄金のつまった杖をアポロンにささげた』とある。但し、この没年(紀元前五〇九年)は彼がタルキニウス王を追放して共和制をひいた年ともされている。

「ソフイイ先生」これは、調べたところ、姉のエルネスチヌが歴史を習つている地元の学校の歷史の先生の名前ということである。リセに通う二人に対する、知性的な面でのほのかな敵愾心が垣間見える。

「戲談ぢやない、まあ、見てやつておくれ、あのブルタスにんじんの顏附をさ。しやうがないブルドツクだよ、ほんとに!」このエンデイングは岸田氏のオリジナルな洒落で意訳してある。原文は、“Non,mais regardez-moi la touche de Poil de Carotte Brutus ! Espèce de petite brute, va !”で、「理性のないけだもの・人でなし」という意味の“brute”(ブルート:“brut”の男性形)を“Brutus”に懸けてゐる(というか、実は先の注で分かるように、これは同語源である)。ちなみに“Espèce”自体が、俗語で、「あんな馬鹿者」の意味である。「あきれたもんだ、『にんじんブルートゥス』の格好を見ておやりよ! 『チビころのブルート(あほんだら)』さ、全く、もう!」といつた感じである。

 以下、原本では、「にんじん」が吃って繰り返す台詞のパートが、特異な字配や、台詞の一部が斜体となっており、その後にある兄フェリックスの台詞内にも、一部、斜体が使用されているので、それに従った。]

 

 

 

 

    Comme Brutus

 

     MONSIEUR LEPIC

   Poil de Carotte, tu n’as pas travaillé l’année dernière comme j’espérais. Tes bulletins disent que tu pourrais beaucoup mieux faire. Tu rêvasses, tu lis des livres défendus. Doué d’une excellente mémoire, tu obtiens d’assez bonnes notes de leçons, et tu négliges tes devoirs. Poil de Carotte, il faut songer à devenir sérieux.

     POIL DE CAROTTE

   Compte sur moi, papa. Je t’accorde que je me suis un peu laissé aller l’année dernière. Cette fois, je me sens la bonne volonté de bûcher ferme. Je ne te promets pas d’être le premier de ma classe en tout.

     MONSIEUR LEPIC

   Essaie quand même.

     POIL DE CAROTTE

   Non papa, tu m’en demandes trop. Je ne réussirai ni en géographie, ni en allemand, ni en physique et chimie, où les plus forts sont deux ou trois types nuls pour le reste et qui ne font que ça. Impossible de les dégoter ; mais je veux, – écoute, mon papa, je veux, en composition française, bientôt tenir la corde et la garder, et si malgré mes efforts elle m’échappe, du moins je n’aurai rien à me reprocher, et je pourrai m’écrier fièrement comme Brutus : Ô vertu ! tu n’es qu’un nom.

     MONSIEUR LEPIC

   Ah ! mon garçon, je crois que tu les manieras.

     GRAND FRÈRE FÉLIX

   Qu’est-ce qu’il dit, papa ?

     SOEUR ERNESTINE

   Moi, je n’ai pas entendu.

     MADAME LEPIC

   Moi non plus. Répète voir, Poil de Carotte ?

     POIL DE CAROTTE

   Oh ! rien, maman.

     MADAME LEPIC

   Comment ? Tu ne disais rien, et tu pérorais si fort, rouge et le poing menaçant le ciel, que ta voix portait jusqu’au bout du village ! Répète cette phrase, afin que tout le monde en profite.

     POIL DE CAROTTE

   Ce n’est pas la peine, va, maman.

     MADAME LEPIC

   Si, si, tu parlais de quelqu’un ; de qui parlais-tu ?

     POIL DE CAROTTE

   Tu ne le connais pas, maman.

     MADAME LEPIC

   Raison de plus. D’abord ménage ton esprit, s’il te plaît, et obéis.

     POIL DE CAROTTE

   Eh bien : maman, nous causions avec mon papa qui me donnait des conseils d’ami, et par hasard, je ne sais quelle idée m’est venue, pour le remercier, de prendre l’engagement, comme ce Romain qu’on appelait Brutus, d’invoquer la vertu…

     MADAME LEPIC

   Turlututu, tu barbotes. Je te prie de répéter, sans y changer un mot, et sur le même ton, ta phrase de tout à l’heure. Il me semble que je ne te demande pas le Pérou et que tu peux bien faire ça pour ta mère.

     GRAND FRÈRE FÉLIX

   Veux-tu que je répète, moi, maman ?

     MADAME LEPIC

   Non, lui le premier, toi ensuite, et nous comparerons. Allez, Poil de Carotte, dépêchez.

     POIL DE CAROTTE.   Il balbutie, d’une

      voix pleurarde.

    Ve-ertu tu-u n’es qu’un-un nom.

     MADAME LEPIC

   Je désespère. On ne peut rien tirer de ce gamin. Il se laisserait rouer de coups, plutôt que d’être agréable à sa mère.

     GRAND FRÈRE FÉLIX

   Tiens, maman, voilà comme il a dit : Il roule les yeux et lance des regards de défi. Si je ne suis pas premier en composition française. Il gonfle ses joues et frappe du pied. Je m’écrierai comme Brutus : Il lève les bras au plafond. Ô vertu ! Il les laisse retomber sur ses cuisses, tu n’es qu’un nom ! Voilà comme il a dit.

     MADAME LEPIC

   Bravo, superbe ! Je te félicite, Poil de Carotte, et je déplore d’autant plus ton entêtement qu’une imitation ne vaut jamais l’original.

     GRAND FRÈRE FÉLIX

   Mais, Poil de Carotte, est-ce bien Brutus qui a dit ça ? Ne serait-ce pas Caton ?

     POIL DE CAROTTE

   Je suis sûr de Brutus. « Puis il se jeta sur une épée que lui tendit un de ses amis et mourut. »

     SOEUR ERNESTINE

   Poil de Carotte a raison. Je me rappelle même que Brutus simulait la folie avec de l’or dans une canne.

     POIL DE CAROTTE

   Pardon, soeur, tu t’embrouilles. Tu confonds mon Brutus avec un autre.

     SOEUR ERNESTINE

   Je croyais. Pourtant je te garantis que mademoiselle Sophie nous dicte un cours d’histoire qui vaut bien celui de ton professeur au lycée.

     MADAME LEPIC

   Peu importe. Ne vous disputez pas. L’essentiel est d’avoir un Brutus dans sa famille, et nous l’avons. Que grâce à Poil de Carotte, on nous envie ! Nous ne connaissions point notre honneur. Admirez le nouveau Brutus. Il parle latin comme un évêque et refuse de dire deux fois la messe pour les sourds. Tournez-le : vu de face, il montre les taches d’une veste qu’il étrenne aujourd’hui, et vu de dos son pantalon déchiré. Seigneur, où s’est-il encore fourré ? Non, mais regardez-moi la touche de Poil de Carotte Brutus ! Espèce de petite brute, va !

 

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