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2024/01/02

フライング単発 甲子夜話卷四十 5 癸未十月、飛ものゝ事

[やぶちゃん注:現在、作業中である柴田宵曲「随筆辞典 奇談異聞篇」のために必要となったので、電子化する。句読点の変更・追加と、読み・記号・改行・段落を加えた。]

 

40-5 癸未十月、飛(とぶ)ものゝ事

 林子(りんし)、曰く。

 今玆(こんじ)【癸未(みづのとひつじ)。】十月八日夜(よる)戌刻下(いぬのこくさが)り[やぶちゃん注:午後八時から午後九時の間。]、西天(せいてん)に、大砲の如き響(ひびき)して、北の方(かた)ヘ行(ゆく)。

 林子、急に、北戶(きたど)を開(あけ)て見れば、北天に、餘響(よきやう)、轟(とどろき)て、殘れり。

 後(のち)に人(ひと)、言(いふ)を聞(きけ)ば、

「行路(かうろ)の者は、そのとき、大(おほき)なる光り物、飛行(とびゆ)くを見たり。」

と云ふ。

 又、數日(すじつ)を隔(へだて)て、聞く。

「早稻田【地名。】に、輕き御家人の住居(ぢゆうきよ)、玄關やうの所へ、石、落(おち)て、屋根を打破(うちやぶ)り、碎片、飛散(とびちり)しが、その夜(よ)、その時の事なり。」

とぞ。

 最早、七、八年にも成(なり)けらし。

 是は、晝のことにて、此度(このたび)の如き、音、して、飛物(とびもの)したるが、八王子、農家の畑(はた)の土に、大(だい)なる石を、ゆり込(こめ)たり。

「其(その)質(しつ)、燒石(やきいし)の如し。」

とて、人々、打碎(うちくだき)て、玩(もてあそ)べり。

「今度(このたび)の碎片も、同じ質なり。」

と、見たりし人、云ひき。

 昔、星、殞(おち)て、石となりし抔(など)云(いふ)ことは、是等のことにもあるや。造化の所爲は意外のことなり。[やぶちゃん注:底本でも、ここは改行している。]

 前(さき)に云ふ。

 七、八年前の飛物は、正(まさ)しく、予が中(うち)の者、見たるが、その大(おほき)さ、四尺にも過ぎなん。

 赤きが如く、黑きが如く、雲の如く、火焰(くわえん)の如く、鳴動・囘轉して、中天(ちゆうてん)を迅飛(じんひ)す。

 疾行(しつかう)のあと、火焰(くわえん)の如く、且つ、餘響(よきやう)を曳(ひ)くこと、二、三丈に及べり。

 東北より、西方に往(ゆ)きたり。

「見し者、始めは、驚き、見ゐたるが、後(のち)は、怖(おそれ)て、家に逃入(にげい)り、戶を塞ぎたれば、末(すゑ)は知らず。」

と、林子の言を得て、繼(つ)ぎしるす。

■やぶちゃんの呟き

「癸未」「十月八日」文政六年十月八日はグレゴリオ暦一八二三年十一月八日。

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