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2024/02/17

譚海 卷之八 同秋田城朝鮮の燕來る事

[やぶちゃん注:標題の「來る」は「きたる」と訓じておく。なお、この前の「羽州橫手しろき鳥の事」はフライング公開してある。従って、本標題の「同」は出羽国を指す。同じ久保田藩で、しかも同藩内の城繋がりで、合わせて記したものである。]

 

○羽後秋田の城の南門の二階下の板には、燕、巢をかくる、おほし。

 それが中に、二羽、至(いたり)て、大成(だいなる)燕、鳩の如(ごとく)白燕(しろつばめ)にして、巢を造るさまも、餘(よの)燕と異(こと)にして、土を用(もちひ)て、大成(だいなる)穴を、うがち、橫より、板にそひて、出入するやうに造りて有(あり)。

「是は朝鮮より、年々、來(きた)る燕なる。」

由、吏人、傳へ覺(おぼへ)て、かたりぬ。

[やぶちゃん注:「朝鮮の燕」この謂いが正しいとすれば、ツバメに似た、白い、通常のツバメより大きい(但し、ここは「太っている」の意でとる)とならば、スズメ目スズメ亜目ツバメ科ツバメ亜科 Delichon 属シベリアイワツバメ  Delichon urbica lagopoda の可能性が高い。同種は全長十五センチメートルで通常のツバメ(ツバメ亜科ツバメ属 Hirundo rustica :全長十七センチメートル)より小さいが、体形自体はツバメより遙かに太く、ムックムクだからである(学名の画像検索をリンクしておく)。尾羽根の切りこみが深く、上面は光沢のある暗青色であるが、下面が白い羽毛で覆われており、体型上、白い部分が多い。背中後部・腰・尾羽基部の上面(上尾筒)も白い羽毛で覆われている。参照したウィキの「イワツバメ」によれば、本邦には『九州以北に飛来(夏鳥)』し、通常は『海岸や山地の岩場に泥と枯れ草を使って上部に穴の空いた球状の巣を作り、日本では』四~八『月に』一『回に』三~四『個の卵を産む。岩場に営巣することが和名の由来。集団で営巣する』としつつも、『昔から』、『山間部の旅館や山小屋などに営巣する例は知られていたが、第二次世界大戦後はコンクリート製の大規模な建造物が増加するとともに、本種もそれらに営巣するようになった。近年は市街地付近の橋桁やコンクリート製の建物の軒下などに集団営巣する例が増えており、本種の分布の拡大につながっている』とあるから、彼らが、日本の海辺の城に営巣したとしても、何らおかしくはない。通常のツバメの博物誌は私の「和漢三才圖會第四十二 原禽類 燕(つばめ) (ツバメ)」を参照されたいが、並んで、「和漢三才圖會第四十二 原禽類 土燕(つちつばめ)・石燕(いしつばめ) (多種を同定候補とし、最終的にアナツバメ類とショウドウツバメに比定した)」の方も、大いに参考になるはずなので、合わせて見られんことを、強くお勧めする。

「秋田の城」ここ(グーグル・マップ・データ)。]

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