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2024/02/23

譚海 卷之九 越後國新潟幷彌彥明神祭禮の事

[やぶちゃん注:この前の二話、

「遠州海邊天狗火の事」

「相州箱根山男の事」

は既にフライング公開してある。]

 

○越後、新潟の湊は、繁昌の地にて、町並、縱橫二里餘り有(あり)。海より通りたる川、町のうしろに𢌞り、大島のごとし。三月、雛まつり、盆中、踊(をどり)のあそび、殊に盛(さかん)なり。「をどり」の唄を「甚九(じんく)ぶし」と云(いふ)。

[やぶちゃん注:「新潟の湊」「町並」「海より通りたる川、町のうしろに𢌞り、大島のごとし」「ひなたGPS」の戦前の地図と現在の国土地理院図を並べて見ると、よく意味が判る。

「甚九ぶし」「甚句」に同じ。民謡の一種。主に七・七・七・五の四句形式で、旋律は地方によって違う。江戸時代の末ごろから流行した。ここは「越後甚句」で、他に秋田甚句・米山甚句・両津甚句・相撲甚句などの他、「酒盛唄」・「盆踊唄」に今も広く用いられている。]

 又、同國彌彥(やひこ)の明神は、一の宮にて、高山(たかやま)のふもとにある大社なり。

 神主、御朱印の地を領して、數人(すにん)、住居(すまい)す。

 每年六月四日、祭禮にて、群集(ぐんしゆ)をなす。

 其時、「燈籠そろへ」といふ事ありて、近鄕の人、燈籠を攜行(たづさへゆき)て、神前に供す。

 上下(かみしも)の社(やしろ)ありて、先(まづ)、上の社に供(きやう)して、後(のち)、下の社に供する事なれども、燈籠の、前後を競(きそ)ふゆゑ、おほくは、損ずる故、下のやしろへ供する時に至りては、燈籠、はなはだ、稀に成(なり)て、寥々(れうれう)たる事成(なり)、とぞ。

 彌彥の町、二町[やぶちゃん注:二百十八メートル。]ほどあり、祭日の外(ほか)も、常に、にぎはふ所なり。

[やぶちゃん注:「彌彥の明神」新潟県西蒲原郡弥彦村と長岡市との境にある。標高六百三十四メートルの弥彦山(やひこさん)。当該ウィキによれば、『新潟県の広い地域から見ることができ、弥彦神社の祭神・天香山命を祀った山として、古くから人々の崇敬を集め、山全体が弥彦』(本来は地名と神霊の名を区別して「いやひこ」と読んでいたが、現在は同じく「やひこ」で慣用化されてしまっている)『神社の神域となっている』とある。ここ(グーグル・マップ・データ)。

「燈籠そろへ」弥彦観光協会・弥彦観光案内所作成になる弥彦温泉のサイト「やひ恋」の「弥彦燈籠まつり」のページを見られたい。豊富な写真がある。現在は、重要無形民俗文化財で、七月二十四日かたら七月二十六日に執り行われる。]

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