譚海 卷之七 江州に石を嗜人の事
[やぶちゃん注:底本では「目錄」の順列に問題がある。国立国会図書館本のそれが正しい。標題の「嗜人」は敢えて「すくひと」と訓じておく。]
○「江州に棊石(ごいし)[やぶちゃん注:この場合は広義の「石」のことである。]を好(この)で名高き心あり。六十餘州の石、ことごとく集(あつめ)貯(たくはへ)ずといふ事、なし。甚(はなはだ)、奇怪成(なる)石、有(あり)。又、石を藏置(をさめおく)簞笥(たんす)、ことに奇成(きなる)製なり。」
と、見し人の、かたりぬ。
[やぶちゃん注:ここでは名を出していないが、これは、私の偏愛する愛石書「雲根志」の作者で、強烈な奇石収集家にして、本草学者であった木内石亭(享保九(一七二五)年~文化五(一八〇八)年)である(底本の竹内氏の後注でも彼としている)。近江国志賀郡下坂本村(現在の滋賀県大津市坂本。グーグル・マップ・データ)生まれ。詳しくは当該ウィキを参照されたい。]