譚海 卷之十二 大傳馬町住居町人丸屋何某が事
○大傳馬町(おほでんまちやう)二丁目[やぶちゃん注:底本では「二」の右に、補正傍注で『(三)』とある。]、丸屋何某(なにがし)、とて、ゆたかなる町人、廻船抔(など)を持(もち)て、
「沖に見ゆるは丸屋が船」
と、うたひし物(もの)成(なり)しが、おごりに長じたるあまり、其妻、常憲院樣御成の節、店へ拜見に出(いで)て居(をり)て、名香を焚(たき)たりしを、御咎(おんとが)ありて、遠島、仰付(おほせつけ)られ、斷絕せし、とぞ。
[やぶちゃん注:これは、同内容の記事が、既に「譚海 卷之五 江戶町人丸屋某滅亡の事」に出ている。比較されれば、判る通り、言い訳の仕様がない全くのダブりである。]
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