譚海 卷之十二 名人道三詠歌幷貝原篤信養生訓の事
○名人道三の歌に、
人はたゞ食と淫事(いんじ)をつゝしまば
老翁ひとし其年のかず
食はたゞよくあたゝめてやはらかに
たらざる程ぞ藥にもます
又、增上寺某僧正の「海老の畫」の讚に、
此ゑびの腰まがる迄生(いき)たくば
食をひかへて獨寢(ひとりね)をせよ
此外、貝原篤信(かいばらあつのぶ)の、「養生訓」といふ書などみるべし。深切に養生の理(ことわり)を話(はなし)たる物也。
[やぶちゃん注:「道三」不詳。「だうさん」と読んでおく。
「ゑび」はママ。
『貝原篤信の「養生訓」』福岡藩藩士で本草学者貝原益軒(寛永七(一六三〇)年~正徳四(一七一四)年)が正徳二(一七一二)年に書いた養生指南書。「中村学園大学・中村学園大学短期大学部」公式サイト内の「貝原益軒アーカイブ」の「養生訓」のページで、『益軒全集』(明治四三(一九一〇年刊)・『有朋堂文庫』本「益軒十訓」(大正二(一九一三)年)・貝原守一博士校訂本・岩波文庫本・講談社学術文庫本を参考にして入力された活字本(PDF・分割版)が、全文、読める。因みに私は既に、ブログで『貝原益軒「大和本草」より水族の部』の電子化注を同サイトの同書のPDF版を底本に完遂している。]
« 譚海 卷之十二 犬にくはれたる時の療治の事 | トップページ | 譚海 卷之十二 水戶家士某百歲に成ける春發句の事 »