譚海 卷之十一 松・なつめ・山吹の事
○松には、露(つゆ)、生(しやう)ずるもの也。
栗の下には、草を生ぜず。
棗(なつめ)の實を貯(たくはふ)べからず。棗を、くひたる鼠は、人、そこなふ也。
松は汐(しほ)のさす池邊(ちへん)に、よろし。
山吹は、湯地(ゆち)に、よろし、とす。
[やぶちゃん注:「棗」バラ目クロウメモドキ科ナツメ属ナツメ Ziziphus jujuba var. inermis (南ヨーロッパ原産、或いは、中国北部の原産とも言われる)の伝来は、奈良時代以前とされているが、果実は有毒ではなく、食用や薬用にもなるので、不審。「棗を、くひたる鼠は、人、そこなふ也」とあることから、何らかの民間の迷信の類いであると思われる。]
« 譚海 卷之十一 黃菊毒なき事 | トップページ | ブログ・アクセス2,120,000突破記念 譚海 卷之十一 朝士長崎七郞右衞門殿の事 附歰谷金王院別當の事 / 卷之十一~了 »