譚海 卷之十二 正月もちをたくはへ樣の事
[やぶちゃん注:標題の「樣」は「やう」。]
○年始の餅、かめに入(いれ)、蓋をして、土藏に入置(いれおく)ときは、久敷(ひさしく)貯(たくはふ)るとも、よろし。又、かびを生(しやう)ずる事、なし。
[やぶちゃん注:この「かめ」には水が張ってあるはずである。古くから行われてきた、水中に浸けておく「水餅」(みずもち)という保存法で、小さな頃、私の母が、奇麗に洗ったバケツの中に、プラスチックのパッケージに水を入れて沈め、毎日、二つとも水を入れ替えて、庭の水道場に置いて保存していたのを思い出す。一般に一ヶ月程度の保存が可能とされており(現行では冷蔵庫で保存することとある)、カビも生えなかった。]