譚海 卷之十二 天狗名義考の事
○「天狗名義考」と云ふ書、奈良の春日(かすが)にあり。天狗のことを、委(くは)しくしるしたり。尾州やをつ山大忍の著述なり。
[やぶちゃん注:底本では最後に『(別本缺)』という割注がある。
「天狗名義考」(てんぐめいぎ(みょうぎ)こう:現代仮名遣)は江戸中期の真言律宗の僧、諦忍妙龍(たいにんみょうりゅう 宝永二(一七〇五)年~天明六(一七八六)年:俗姓は仙石氏、号は雲蓮社空華で、美濃国生まれ。尾張国八事山興正寺第五世)の著。江戸の西村源六他が版元で、宝暦四(一七五四)年板行。「京都大学貴重資料デジタルアーカイブ」のこちらで原版本が総て視認出来る。また、ガリ版刷であるが、丁寧な訓点がしっかり施されていて読み易いものが、国立国会図書館デジタルコレクションの『未刊・稀覯書叢刊』第一輯「第一 天狗名義考」(壬生書院編輯部昭一四(一九二九)年刊)で、やはり、全文を視認出来る。
「尾州やをつ山」現在の愛知県名古屋市昭和区八事本町(やごとほんまち)にある高野山真言宗八事山(やごとさん)興正寺(こうしょうじ)。通称「八事観音」。妻の実家の近くで、私は亡き義母に連れられて参ったことがある。ここ(グーグル・マップ・データ)。]