譚海 卷之十一 關帝經の事
○「關帝經」には、
『人、一日たりとも、人のうへを、あしくいふ事あるは、呪咀の罪にあたる。』
よし、しるしあり。
是、誠に陰德を損ずる第一の惡事也。愼むべし。
[やぶちゃん注:「關帝經」恐らく、中国の道教の書「覺世眞經」(かくせいしんきょう)、正式には「關聖帝君(かんせいていくん)覺世眞經」のことであろう。善行を奨励する、所謂、「善書」には、「三聖経」といって代表的経典三種があるが、これは、その一つ。忠・孝・仁・義などの儒教倫理を実践すれば、幸福を得られることを主に説く。武将関羽を神格化した関帝のお告げの書とされるが、明末清初から民間に流行し、本邦や韓国でも出版された(小学館「日本大百科全書」に拠った)。]