譚海 卷之十一 宗の茂古林笹書の事
○茂古林(むくりん)といふは、宋の時の僧にて、其墨蹟、茶事にも賞翫して懸(かく)る也。拂底(ふつてい)成(なる)物也。たまたま、あれば、皆、「笹書(ささがき)」とて、行・草をまぜて書(かき)たる書法にて、字體は、皆、はねたる筆勢、有(ある)故、
「笹の葉に似たり。」
とて、「茂古林の笹書」と稱する也。
[やぶちゃん注:「茂古林」古林清茂(くりんせいむ 一二六二年~一三二九年)は、南宋末から元代に於ける禅林の第一人者。「茂古林」(むくりん)と称された。号を休居叟(休居子)といい、「仏性禅師」の号を贈られている。法弟は多く、特に了庵清欲・竺仙梵僊(来日僧)、我が国の月林道皎・石室善玖が知られる。グーグル画像検索「古林清茂 茂古林 笹書」をリンクさせておく。]