譚海 卷之十一 神道家加持の詞の事
[やぶちゃん注:本話は高い確率で前話の語り手である津村の叔父中西邦義からの聴き書きであろう。]
○神道家の加持の詞(ことば)の内、
「五臟の神君、安寧成(なる)時は、天地の神君、安寧也。かりにも、我心をいたむるなかれ。カンニミチカセ無上靈寶神道加持。」
と、いヘり。
「大學」にも『誠意正心を以國家天下を治(をさむ)る本(もと)』とし、「けごん」にも一心の道を以て匹觀念の至極」とする時は、三敎ともに、皆、心を治るより外の敎(をしへ)は、なし。一致といへる事、尤(もつとも)なる事也。
[やぶちゃん注:「カンニミチカセ」神道には全く興味がないので、不詳。にしても「加持」は仏教用語だぜ?]