譚 海 卷之十四 江戶町方往來道幅幷商物店出し寸尺の事
[やぶちゃん注:読みは、地下文書の「書付」であり、五月蠅いだけなので、特異的に全く入れていないし、句読点も底本のママで追加していない。「哉」はお伺いを示す「や」である。それにしても、ここまでやるか? って感じだね。]
○天明八年三月、町奉行所より御尋件々、年番名主、御答書付、寫し。
[やぶちゃん注:以下は、底本では全体が最後まで一字下げ。]
一、所々町方往來にて、商物指置候儀、道幅の限り等も有ㇾ之候哉。此義、道具・古木・荒物、幷生舟取扱候類、都てかさ高成商賣仕候者、雨落下水の外へ三尺通積出し奉ㇾ願差置申候。
但魚棚靑物棚の義は、壹間の場所も御座候。
一、町屋にて薪賣買の者、軒下幷河岸へ積候義、高さ何尺と申義、或は町屋軒下へ積候義、往來道幅何尺と申限りも有ㇾ之候哉。
此儀河岸通幷町家軒下に指置候ともに、高さ四尺、家前出候義は、雨落下水外へ三尺通り指置申候。
但高さ四尺と申御定杭有ㇾ之候場所も御座候。
一、大八車へ積候て引候義、何尺程積候哉。
此義何尺と申儀は、不ㇾ奉ㇾ存候へ共、大八車に物積引候義、多積崩不レ申候樣に可ㇾ仕義に御座候。
一、大八車町家前・河岸等にも並べ置候義。
右はかさ高成品故、地面内に指置候場所無二御座一候に付、家業隙幷夜分抔は、家前或は町内木戶際、又は河岸等其所により指置候義にて、右置場と申相願候義は、無二御座一候哉に奉ㇾ存候。尤往還の障に相成不ㇾ申樣に、右始末仕候義に御座候。
右御尋に付申上候。
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