狸と接近遭遇
先ほど、新聞を取りに出たところ、家の前の道を、狸が横切って行った。猫かと思って、門扉越しに見たところが、そ奴が立ち止まって、完全に体を入れ替えて、こっちを見た。二メートル弱しか離れていなかった。体長は四十センチメートルほど。尻尾も顔も、明らかに狸だった。驚くこともなく、すたすたと消えて行った。私は、小学二年生の時、近くの藤沢との切通しで、車に轢かれて死んだ狸を見たが、それ以降、初めての五十年振りの見参だった。父の弔いに現われたのかな。ここいらでは、私の父は最古参の一人だったから。
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