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2024/04/04

譚 海 卷之十三 石竹花種をまく方の事 花木の實女子におろさすべき事 毛むしの事 草木の蜘を去る事 樹木の蟻を去る方の事 毛蟲生ぜざるまじなひの事 蜂にさゝれたる痛をとむる方の事 のみを去る方の事 まむしをふせぐ方の事 權方散の事

○「石竹花の種を取(とり)て、八月十五夜、明月の下にて、うつくしき扇子にのせ、たねをまく時は、翌年、花、至(いたつ)てよろし。」と、いへり。

 

○「花木の實は、すべて女子(によし)にまかするが、よし。けはひを、とゝのへ、髮をゆひ、衣を改(あらため)て、まく時は、花實、うるはしく生ずる。」と、いへり。

 

○毛蟲は、蝶の「ふん」より化生(けしやう)する也。春末より、時々、心をとめて、枝葉の間を見れば、蝶のひりつけたる「ふん」、有(あり)。夫(それ)を、日々、取去(とりさ)る時は、毛蟲、おほく生ずる事、なし。橘の蟲も蝶の「ふん」也。

 

○夏月、草木に、蜘(くも)のすたゆる事、なし。是も、日々、「蛛のす」ある中へ、木のは、をくだきて落(おと)せば、珠(たま)むしの落(おち)たると心得て、穴より出る所を、「もち」にて、さして、取(とる)也。

[やぶちゃん注:「もち」鳥黐(とりもち)。製法は当該ウィキを参照されたい。]

 

○樹に付(つき)たる蟻を去るには、蟻のいづる穴へ、「熊のゐ」を、少し計(ばか)りぬりおけば、あり、出(いづ)る事、なし。

 

○「毛蟲を生ぜぬまじなひは、除夜に『するめ』の足を、一つづつ、竹の筒に入(いれ)て、本(もと)ごとに懸置(かけおく)ときは、毛蟲、すくなし。」と、いへり。

 

○蜂にさゝれたるには、「いもの葉」にても、「くき」にても、かみて、痛(いたむ)所にすり付(つく)べし。卽座に、いたみ、とまる也。

 

○蚤(のみ)をさる方、菖蒲(しやうぶ)にて、「むしろ」を、あみて、敷(しき)て寢るときは、「のみ」、よりつく事、なし。

 

○「まむし」のある所を過(すぐ)るには、「すね」に、「たばこのやに」を、ぬりて、通るべし。又、竹に「やに」をぬりて持行(もちゆく)も、よし。

 

○「かまきり」を日にほし細末にして、針・釘などの、ふみぬきしたる疵(きず)の口ヘ、「めしつぶ」にて、ぬり置(おく)時は、針、かしらを、いだすを、毛ぬきにて、ぬきとる也。甲州高坂彈正、祕法「權法散(ごんほふさん)」といふ藥なり。

[やぶちゃん注:「甲州高坂彈正」甲斐武田氏家臣で譜代家老衆として武田晴信(信玄)・勝頼に仕え、武田四天王の一人として数えられる春日虎綱/高坂(香坂)昌信(大永七(一五二七)年~天正六(一五七八)年)。

「權法散」(ごんほうさん)「カマキリに疣(いぼ)をかじらせると治る」という俗信は日本各地で昔から行われており、イボムシリ・イボジリ・イボムシなどの異名が残っている。また、鏃(やじり)が深く入って、抜き難い際、この虫を陰干しにしたものの粉末(それを「権法散」と称する)を、傷口に塗ると、鏃が自然に出てくると言われた(平凡社「世界大百科事典」の「カマキリ」の条に拠った)。]

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