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2024/06/29

「善惡報はなし」正規表現オリジナル注 卷二 㐧十二 れうし虵をがいし頓死する事 / 卷二~了

[やぶちゃん注:底本・凡例等は初回を参照されたい。]

 

 㐧十二 れうし、虵(へび)をがいし、頓死(とんし)する事

○下野(しもつけの)國さむ川と云《いふ》所の近鄕(きんがう)に、大小の「うつぼ」あり。

[やぶちゃん注:「下野(しもつけの)國さむ川」旧下野国にあった舊寒川郡(さむかはのこおり)。現在の小山(おやま)市の一部で、ここの、同市を南北に貫流する「思川」(おもいがわ)の西岸に相当する(グーグル・マップ・データ)。

「うつぼ」半ば枯れた木の洞(ほら)のこと。]

 此中より、大虵《おほへび》の、「かしら」を、さし出《いだ》したるをみて。れうし、矢をもつて、木に、いつけて、行《ゆき》けり。

 ぬまの邊(ほとり)を、とをり[やぶちゃん注:ママ。]ける。

 水(みづ)の上に、およぐ物、有《あり》。

 みれば、大虵の、一丈ばかり成《なる》が、くびに矢をおひ、水の上を、およぎ來《きた》るを、待《まち》うけて、終(つゐ)に[やぶちゃん注:ママ。]、いころしけり。

 其まゝ、家へ、かへらずして、狂死(くるひじに)に、しけり。[やぶちゃん注:この後の助詞「に」は、ない方が躓かない気がするのだが、以降、しばしば見られるので、筆者の癖と思われる。

 よくきけば、

「何のやしろとかやの、神にて、まします。」

よし也。所の名(な)も、宮の名も、失念し侍り。

 かやうに、せんなき事、世に、多し。

 おそるべし。

「善惡報はなし」二之終

[やぶちゃん注:最後はママ。改題本で「續御伽ばなし」の筈が、初版本の書名のままになっている。版木の使い回しが、はっきりバレでいる。

 因みに、第二参考底本では、ここが最後だが、第二巻の裏表紙裏に、例の落書が、この最終篇を考えて、おどろおどろしく描かれている。これ、ちょっと意想外のボーナスを貰った感じで、正直、「落書野郎奴(め)、やって呉れたじゃあ、ねえか!」と、褒めたくなったこと、頻り。

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