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2024/08/02

「和漢三才圖會」植物部 卷第八十三 喬木類 海巴豆(公開後の翌日、自身で誤比定が判ったので、注の冒頭を全改正した)

 

Amerikadeigo

 

かい こうづ

 

海紅豆

 

 

ハアイ オヲン テ

 

本綱海紅豆生南方人家園圃中近時蜀中亦種之樹髙

二三𠀋葉似梨葉而圓或云如冬青而圓澤春開花白色

結莢枝閒其子累累而綴珠若大紅豆而扁皮紅肉白有

小毒蜀人用爲飣

△按飣【音釘】置食也若謂果子而常食之外閒貯食者

 

   *

 

かい こうづ

 

海紅豆

 

 

ハアイ オヲン テ

 

「本綱」に曰はく、『海紅豆は、南方の人家≪の≫園圃《ゑんぽ》の中に生ず。近時は、蜀(しせん)[やぶちゃん注:現在の四川省(グーグル・マップ・データ)。]の中にも、亦、之れを種《う》ゆ[やぶちゃん注:ママ。]。樹の髙さ、二、三𠀋。葉、梨の葉に似て、圓《まろ》し。或いは、云ふ、「冬青《まさき》」≪の≫ごとくにして、圓く、澤《つや》≪あり≫。」≪と≫。春、開花≪し≫、白色。莢《さや》を枝の閒に結《むすぶ》。其の子《み》、累累として、珠《たま》を綴《つづ》り、「大紅豆(《おほ》あづき)」のごとくにして、扁(ひらた)く、皮、紅にして、肉、白≪し≫。小毒、有《あり》。蜀の人、用ひて、飣《テイ/たくはへもの》[やぶちゃん注:保存食。]と爲《なす》。』≪と≫。

△按ずるに、「飣」【音「釘《テイ》」。】置食《おきじき》なり。「果子」と謂《いふ》がごとく、常食の外《ほか》、閒《あひだ》に、貯《たくは》へ食《くふ》者なり。

 

[やぶちゃん注:公開後の翌日、トンデモ比定同定であったことに自ら気がついたので、改正した。「かいこうず」「海紅豆」とは、スッタモンダして、ようやっと、

双子葉植物綱バラ目マメ科マメ亜科デイゴ属アメリカデイゴ Erythrina crista-galli

であることに気がついた。当該ウィキより引く(注記号はカットした)。『和名はカイコウズ(海紅豆)』(☜)。『カイコウズの名はあまり使われず、アメリカデイゴと呼ばれることが多い。また、「アメリカデイコ」と「コ」が濁らないこともある』。なお、『デイゴ』(デイゴ属デイゴ Erythrina variegata )『は別種で沖縄県の県花』。『南アメリカのブラジル原産といわれる』。『日本には江戸時代に渡来した。落葉広葉樹の低木または小高木。日本では街路樹や庭木として使われる。寒さに弱いため』、『関東以南で栽培可能。葉は葉柄が長い』三『出複葉で互生する。小葉は卵状楕円形をしている。枝、葉柄、葉脈の主脈には、先の曲がった小さなとげがある。花期は』六~九『月頃で、よく目立つ蝶形の赤い花を下向きに咲かせる。果実は豆果で、莢の長さは』十~十五『センチメートル』『ほどある』。『また、鹿児島県の県木であり、アルゼンチン、ウルグアイの国花である』とある。時珍は『小毒、有り』と言っているが、よく判らない。ただ、英文の同種のウィキの記載に、『染色や薬用として利用される。樹皮はリウマチの傷の治療に使用され、利尿・鎮痙剤として働く。樹脂は腸疾患を治療することができる。葉には、傷の治癒を助け、腫瘍の抗炎症作用を持つ樟脳が含まれる』とあったので、なんらかの皮膚アレルギーを惹起する可能性が窺える。

 本篇の「本草綱目」の引用は、「卷三十五下」の「木之二」「喬木類」(「漢籍リポジトリ」)の「海紅豆」(ガイド・ナンバー[086-54a]の以下)の短い記事の「集解」のほぼメイン全文。以下に総てを示す(やや加工した)。

   *

海紅豆【海藥】

釋名集解【珣曰按徐表南州記云生南海人家園圃中大樹而生葉圓有莢近時蜀中種之亦成時珍曰樹高二三丈葉似梨葉而圓按宋祁益部方物圖云紅豆葉如冬青而圓澤春開花白色結莢枝間其子累累而綴珠若大紅豆而扁皮紅肉白以似得名蜀人用爲果飣】

豆氣味微寒有小毒主治人黑皮䵟𪒟花癬頭面遊風宜入面藥及澡豆【李珣】

   *

「冬青《まさき》」バラ亜綱ニシキギ目モチノキ科モチノキ属ソヨゴ Ilex pedunculosa当該ウィキによれば、『和名ソヨゴは、風に戦(そよ)いで葉が特徴的な音を立てる様が由来とされ、「戦」と表記される。常緑樹で冬でも葉が青々と茂っていることから「冬青」の表記も見られる』。但し、『「冬青」は常緑樹全般にあてはまることから、これを区別するために「具柄冬青」とも表記される。中国植物名でも、具柄冬青(刻脈冬青)と表記される』とある。ここは良安に記載だから、ソヨゴでよい。

「大紅豆(《おほ》あづき)」マメ目マメ科マメ亜科ササゲ属アズキ 変種アズキ Vigna angularis var. angularis の大きな豆。]

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