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2024/08/07

「和漢三才圖會」植物部 卷第八十三 榕 / 卷第八十三 喬木類~了

 

Gajyumaru

 

よう

 

【音容】

 

字彙云榕初如葛藟絲木後乃成樹

五雜組云榕木閩廣有之其木最昜長折枝倒埋之三年

之外便可合抱柯葉扶踈參雲表大者蔽虧百畒老根蟠

[やぶちゃん字注:「畒」は「畝」の異体字。「蟠」は原本では「グリフウィキ」のこれ((つくり)の上部が「米」)だが、表示出来ないので、「蟠」とした。]

拏如石者木理邪而不堅昜於朽腐十圍以上其中多空

此莊子所謂以不才終天年者也

△按此木不載葉花實之形故不知有於本朝否定也蓋莊

 子所言不才木則樗栲也【椿(ヒヤンチユン)の類《るゐ》≪なり≫。前を見よ。】

 

   *

 

よう

 

【音「容」。】

 

「字彙」に云はく、『榕は、初《はじめ》、葛《くづ》・藟《かづら》のごとく、木に絲(よ)りて、後、乃《すなはち》、樹と成る。』≪と≫。

「五雜組」に云はく、『榕木、閩《びん》・廣《くわう》に、之れ、有り。其の木、最も長じ昜《やす》し。枝を折りて、倒《さかさま》に之れを埋《うづ》むに、之れ、三年の外[やぶちゃん注:三年を過ぎると。]、便《すなは》ち、合抱《あひだく》べし[やぶちゃん注:両手で抱えるほどに太くなる。]。柯葉《かえふ》[やぶちゃん注:枝と葉。]、扶踈《ふそ》として[やぶちゃん注:枝葉が広がり、繁茂すること。]、雲表《うんぺう》[やぶちゃん注:雲の上。]に參《まゐる》≪許りなり≫。大なる者、百畒を、蔽《おほひ》、虧《そんずる》[やぶちゃん注:土地を使えなくなりほどに覆って、結果して毀損、ダメにすること。]。老≪ひたる≫根≪は≫、蟠《わだかまつて》、拏《つかめば》[やぶちゃん注:「摑めば」。]、石のごとくなる者≪なれども≫、木理(きめ)邪(なゝめ)にして堅《けん》ならず、朽腐《くちくさり》昜《やす》し。十圍《とおかこみ》以上《の太さにても》、其の中、多《おほく》は、空《うつろ》なり。此れ、「莊子」に、所謂《いはゆる》、不才を以つて、天年を終わる者なり。』≪と≫。

△按ずるに、此の木、葉・花・實の形を載せず。故《ゆゑ》、本朝に有るや否やを、知らざるなり。蓋し、「莊子」、言ふ所の「不才の木」は、則ち、「樗《ちよ》」・「栲《かう》」なり【椿(ヒヤンチユン)の類《るゐ》≪なり≫。前を見よ。】。

 

[やぶちゃん注:「榕」は、日中ともに、

双子葉植物綱バラ目クワ科イチジク連イチジク属ガジュマル Ficus microcarpa

のことである。「維基百科」の「正榕」も見られたい。そこでは、ページ・タイトルは「正榕」だが、正式な中文種名は「榕樹」である)。当該ウィキを引く(注記号はカットした)。漢字名は『細葉榕、正榕、榕樹』(注釈に『「榕樹」はガジュマルの近縁種を含めた総称。「溶ける木」という意味であるが、他の木や障害物の間を縫って成長し、しなやかな気根を多く伸ばすなどして流体のような形状になることがあるため』とあった)、『我樹丸)は、亜熱帯から熱帯地方に分布する』。『枝から多数の気根を出す「絞め殺しの木」の一種としても知られる』(同ウィキに「ガジュマルと絞め殺された木」の画像がある)。『ガジュマルの名の正確な由来は不明である。一説には、沖縄の地方名だが、幹や気根の様子である「絡まる」姿が訛ったという説がある』。『気根を多数伸ばした姿が雨降りのようなので、レインツリー(雨の木)の異名もある。また、タイワンマツ(台湾松)やトリマツ(鳥松)とよばれることもあるが、マツには似ていない』。『属名 Ficus(フィカス)はラテン語でイチジクの意味であり、この仲間はイチジクのような実をつける』。『日本、台湾、中国南部沿岸、東南アジア、インド、オーストラリアの熱帯から亜熱帯地域に分布する。日本では九州の屋久島と種子島以南、主に南西諸島などに分布する。沖縄県ではガジュマルがあちこちで見られ、名護市の中心にあるヒンプン・ガジュマル』(「ひんぷん」とは「屏風」と書いて琉球方言で、かく読む。沖縄を中心に南西諸島では、家の正面に目隠しのように塀があり、これを「ひんぷん」と呼ぶ(私は沖縄方言を外国語のようにカタカナ表記するのは生理的に嫌いである)。これは、実際に、表から建物の内部が直接見えないように造られたものであるが、その真の意味は、外から魔の物が侵入するを防ぐための呪的構造物である)『と呼ばれる樹は有名である。また小笠原諸島では植栽がなされている。観葉植物としては本州でも見ることがある。日本国外では台湾、中国南部やインドからオーストラリアなどにかけて自生している。アコウ』(イチジク属アコウ変種アコウ Ficus superba var. japonica )『よりも暖かい地域でないと育たない』。『常緑広葉樹の高木で、樹高は』二十『メートル』。『木全体の姿はアコウに近いが、常緑である』(アコウは半常緑高木である)。『幹は』、『多数』、『分岐して繁茂し、囲から褐色の気根を地面に向けて多く垂らす。垂れ下がった気根は、徐々に土台や自分の幹に複雑にからみつき』、『派手な姿になっていく。枝から出る気根は、そのまま下に向かっても地上に下りて、一部は支柱根となる。気根は当初はごく細いが、太くなれば』、『幹のように樹皮が発達する。地面に達すれば』、『幹と区別が付かない。また、成長した気根は地面の舗装に使われているアスファルトやコンクリートなどを突き破る威力がある。一部は他の木を土台にして育ち、土台となった木を枯れらしていくので、ガジュマルはいわゆる「絞め殺しの木」ともよばれる。樹皮は灰褐色で』、『ほぼ滑らかである。若い枝はやや太く無毛で、一周する輪状の托葉痕がある』。『葉は楕円形や倒卵形、革質でやや厚く、毛はない。葉柄はアコウよりも短い』。『花期は』、『ほぼ通年』で、『イチジクのような花序(花嚢)は枝に多数』、『つき、小さい。花嚢は果嚢(イチジク状果)となり』八『月ごろに黄色または淡紅色に熟す。実は鳥やコウモリなどの餌となり、糞に混ざった未消化の種子は』、『土台となる低木や岩塊などの上で発芽する』。『冬芽は互生し』、二『枚の芽鱗に包まれ、頂芽は円錐状で先が細く尖る。側芽は小さい。葉痕は円形や楕円形をしている』。『ガジュマルを含むイチジク属は熱帯域を中心に世界で』八百『種が生息する。日本では本州から南西諸島に』『種ばかりが分布し、その中でガジュマルは葉が小さくて厚くつやがある点で、他に紛れる種がない』。『樹木は防風林、防潮樹、街路樹、生垣として、材は細工物として利用される。熱帯地域では、日陰を作る公園樹としてよく植えられる。キクラゲ』(菌界担子菌門真正担子菌綱キクラゲ目キクラゲ科キクラゲ属キクラゲ Auricularia auricula-judae :当該ウィキによれば、属名はラテン語の「耳介」に由来し、種小名は『「ユダの耳」を意味し、ユダが首を吊ったニワトコの木からこのキノコが生えたという伝承に基づく。英語でも同様に「ユダヤ人の耳」を意味するJew's earという。この伝承もあってヨーロッパではあまり食用にしていない』とあった。しかし、このユダが首を吊ったのをニワトコの木としたのは、誤比定であり、ニワトコはパレスチナには自生せず、東アジア原産である)『の原木栽培にも利用される。燃やした灰でつくった灰汁は、沖縄そばの麺の製造に用いられることもある。近年は観葉植物としても人気がある。観賞用に、中の枯れた木を取り除いて空洞状にした木も売られている』。『沖縄県名護市にはひんぷん(屏風)ガジュマルと呼ばれる大木が目抜き通りの真ん中にあり、名物になっている。この屏風とは、門のところに建てて、中があけ広げにならないようにするものという意味で、もともとは風水の魔除けである。ひんぷんガジュマルはもとの街の入り口に立っていた』。『観葉植物として幼木を鉢植えにして栽培される。日光を好む性質から、日当たりのよい場所に置いて育てられるが、夏場は強い日差しに当たると葉焼けを起こす場合もあるため、半日陰にするのが良いといわれる。春から秋にかけて水やりと施肥を行い、湿度を保つため表土が乾くたびに多めに保水し、緩効性の肥料を』二『か月置き程度に与える』。『耐陰性があるが』、『日光を好み、光量が不足すると徒長』(植物の茎や枝が必要以上に間延びして伸びてしまう状態を指す語)『しやすい。熱帯の植物の中では耐寒性もあるが、降霜に耐えられるほどではない。良く成長した葉は近縁のインドゴムノキ』(イチジク属インドゴムノキ Ficus elastica )『よりは小さいが、ベンジャミン』(イチジク属ベンジャミン Ficus benjamina の和名は「シダレガジュマル」である)『より一回り大きい』。『中国南部、台湾、ベトナムなどでは、道観や寺院などの庭園によく植えられ、強い日差しをさえぎり、休める場所を提供する役割を担っている。茶やベトナムコーヒーなどを提供する出店もガジュマルの木の陰で商売をすることが多い』。『中国福建省の福州市と四川省の成都市では街路樹にも多く用いられ、街を代表する木であり、榕城という別名も生んでいる』。『中国広西チワン族自治区の柳州市(りゅうしゅうし)では、街路樹にも多く用いられている』。『沖縄県ではガジュマルの大木にはキジムナーという妖精のようなものが住んでいると伝えられ』ていることは、よく知られる。

「字彙」前項に既出既注。原本に当たれない。

「五雜組」複数回既出既注。始動回の「柏」の私の注を参照されたい。以下は、「中國哲學書電子化計劃」で調べたところ、「卷十」の「物部二」に(少し手を加えた)、

   *

榕木、惟閩、廣有之、而晉安城中最多、故謂之榕城、亦曰榕海。云、「其木最易長、折枝倒埋之、三年之外、便可合抱、柯葉扶疏、上參雲表、大者蔽虧百畝、老根蟠拿如石焉。木理邪而不堅、易於朽腐。十圍以上、其中多空。」。此「莊子」所謂以不才終天年者也。閩人方言亦謂之松按「松」字、古作「容木」、則亦與「榕」通用矣。

   *

とあった。

「閩《びん》」現在の福建省(グーグル・マップ・データ。以下同じ)。

「廣《くわう》」現在の広東省広西チワン族自治区

『「莊子」に、所謂《いはゆる》、不才を以つて、天年を終わる者なり。』この「五雜組」の「不才」は気に入らない。「不材」だ! 東洋文庫の割注もひどいもんで、訳で「荘子」の下に割注して、『(外篇山水)』としてあるが、まず、「莊子」の「外篇」には「山水篇」なんてない! 「山木」の誤記・誤植だ! さらに言えば、これは、「外篇 山木篇第二十」の冒頭の中に出る荘子の直の台詞「此木以不材得終其天年」を指していようが(「中國哲學書電子化計劃」の「山木篇」の「1」)、まあ、それは荘子自身の肉声であり、何より、そこを示すに若くはないとは思う。しかし、爽快なパラドキシャルな「莊子」が好きな私としては、ブラス、やっぱり、同じ内容を、より判り易く伝えており、荘子本人の記載の確度が遙かに高い「内篇」の「人間世」も参考資料として是非とも指示するべきだと思う(但し、そこでは大工の棟梁の話である。「中國哲學書電子化計劃」の「人間世篇」の「5」以下)。何故なら、そこでは、具体的に樹種とその材質が語られてあるからである。簡単に梗概を語ると、

   *

 大工の棟梁の石が斉(せい)の国を旅した。そこに社(やしろ)があり、そこに土地神を祀った神木たる櫟(くぬぎ)の木を見た。

 その大きさたるや、数千頭の牛を木蔭にやすらせ、幹は百抱えもある。その木の高きこと、山を見下ろし、地上から十仭(約二十一メートル)を超えて、初めて梢が出ているのだった。しかも、その張り出している一枝でさえ、立派な舟を作れるような太さなのであった。

 見物は市をなしていたが、石は顧みることもなく、そのまま通り過ぎた。

 従っていた弟子達は、暫く、その木に見とれてしまい、慌てて、後から先生を追って走って、言うことには、

「我等が、斧や鉞(まさかり)を手にして、先生に随うようになってより、未だ嘗つて、材質の、かくの如くまで、その美なる樹木を見たことが御座いません。だのに、先生は、敢えて見ようとなさらず、もくもくと足を進め、通り過ぎられたのは、何故ですか?」

と。

 先生、曰わく、

「やめんか! 無駄口を叩いては、いかん! あれはな、「散木(さんぎ)[やぶちゃん注:何の用にも立たない樹木。]」なのじゃ。あの材で舟を作れば、即座に、沈み、棺桶を作れば、忽ちのうちに、腐り、器にすれば、直ちに、壊れ、門や戸に拵えれば、汚い樹脂(やに)が流れ出で、柱と成せば、すぐ、虫が湧く。これ、以って、まさに『不材[やぶちゃん注:使い道が全くない。]木』なのじゃ。さればこそ[やぶちゃん注:一分一厘も全く世の役に立たない木だからこそ。]、かくも大木(たいぼく)になるまで、寿(じゅ)を全うしておるのじゃて。」

と。

   *

「此の木、葉・花・實の形を載せず。故《ゆゑ》、本朝に有るや否やを、知らざるなり」独立国琉球は、当時、既に幕府に嘘をついて秘かに薩摩が侵攻し、酷い実質支配を始めていたが、ガジュマルは当時の正規の日本では、遠く南の南西諸島にしか分布しないから、これは、良安にとっては、仕方がないことではある。

「樗《ちよ》」これは、先行する「椿」に登場し、そこでは、スンタモンダして(この漢字は悩ましいものであって、「おうち」と読んで、ムクロジ目センダン科センダン属センダン変種センダンMelia azedarach var. subtripinnata の古名でもある、「ヤヤコシヤ植物漢字」なのである)、最終的にムクロジ目ニガキ科ニワウルシ属ニワウルシ Ailanthus altissima としたが、ここでは、俄然! その時、第一に想起した(私は少年期に「樗」を「ごんずい」と読むことを刷り込まれた)、材が柔らかくて材木として役に立たない「不材の材」として知られる(柔らか繋ぎで何故かキクラゲ栽培の原木にはなるそうだ)クロッソソマ目 Crossosomatalesミツバウツギ科ミツバウツギ属ゴンズイ Staphylea japonica で決まりだ!

「栲《かう》」これも「椿」に登場するが、私は毅然として、本邦で、この漢字を「ぬるで」と読み、ムクロジ目ウルシ科ヌルデ属ヌルデ変種ヌルデ Rhus javanica var. chinensis を同種と比定していることには、目もくれず、中国、及び、フィリピンの一部・ボルネオ島の東北の諸島にしか分布しないブナ目ブナ科シイ属カスタノプシス・ファルギシイ Castanopsis fargesii に同定した。その理由は、その「椿」の項の記載種が、日中で、悉く、全く、(明後日)100も――異なること――が明らかに判ったからである。序でに言っておくと、東洋文庫訳では、訳文で「樗栲」と、そのまま載せ、『ちよ(=ょ)こう』と振った上、直後の割注で『(ぬるで)』と、仰天なことを、やらかしてあるのだ! いいか? 良安はこの二字にルビは振っていないのだ! しかも、この二字には「-」も振っちゃいないんだよ! 更に、致命的にダメなのは、ヌルデ Rhus javanica var. chinensis は中国にも分布するが、役に立たない「不材の木」なんかじゃないんだよ! 当該ウィキから引くぜ! 『木材は色が白く』、『材質が柔らかいことから、木彫の材料、木札、木箱などの細工物に利用される』だけじゃなく、本邦では『地方により、ヌルデ材は呪力を持った木として尊ばれ、病気や災い除けの護符の材として多く使われる』とあり、『古来から日本の村里の人々の生活と深く関わり合いがある。葉にヌルデシロアブラムシ(ヌルデノミミフシアブラムシ)が寄生すると大きな虫癭(ちゅうえい)ができ』、『中には黒紫色のアブラムシが』、『多数』、『詰まっている。この虫癭は五倍子(ごばいし)、または付子(ふし)といってタンニンが豊富に含まれており、これが腫れ物・歯痛の薬、皮なめしに用いられたり、黒色染料の原料になる』。『染め物では空五倍子色とよばれる伝統的な色をつくりだす。またインキや白髪染の原料になるほか、かつては既婚女性および』十八『歳以上の未婚女性の習慣であったお歯黒にも用いられた』とあり、この五倍子、現在、『中華人民共和国での生産量が最大』であるとあるんだぜ!?! 中国で「不材の木」であろうはずがあるまいがッツーの!!!

「椿(ヒヤンチユン)」「ツバキ」と読んでは、決していけない! 本邦のヤブツバキとは全く関係のない、双子葉植物綱ムクロジ目センダン科Toona属チャンチン Toona sinensis である。先行する「椿」で、気の遠くなる迂遠な考証を既にしてある。

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