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2024/08/03

「和漢三才圖會」植物部 卷第八十三 喬木類 豬腰子

 

Tyoyousi

 

ちよようし

 

豬腰子

 

[やぶちゃん注:「ちよようし」はママ。歴史的仮名遣では「ちよやうし」が正しい。]

 

本綱猪腰子木生柳州【在廣西府】蔓生結莢内子大若豬之内

腎狀酷佀之長三四寸色紫而肉堅故名之彼人以充土

[やぶちゃん注:「佀」は「似」の異体字。]

貢饋送中土

豬腰子【甘微辛】 治一切瘡毒及毒箭傷【研細酒服一二錢】服之塗

之並良

 

   *

 

ちよようし

 

豬腰子

 

「本綱」に曰はく、『猪腰子《ちよやうし》の木、柳州【廣西府に在り。】に生ず。蔓、生じ、莢《さや》を結ぶ。内≪の≫子《み》、大いさ、豬(ゐのこ)の内腎(へのこ)[やぶちゃん注:イノシシの陰茎。]のごとく、狀《かたち》≪も又≫、酷(はなは)だ、之れに佀(に)たり。長さ、三、四寸。色、紫にして、肉、堅し。故《ゆゑに》、之れを名づく。彼《かの》人[やぶちゃん注:柳州の人。]、以《つて》土貢《とこう/どこう》[やぶちゃん注:みつぎものとして献上する土地の産物。]に充(あ)て、中土に饋-送(をく[やぶちゃん注:ママ。「饋」も「送る」の意。])る。』≪と≫。

『豬腰子【甘、微辛。】 一切≪の≫瘡毒、及び、毒の箭-傷(やきず)を治す【研細《けんさい》にして、酒にて服すること、一、二錢[やぶちゃん注:三・七三~七・四六グラム。]。】。之れを服し≪ても≫、之れを塗り≪ても≫、並《ならびに》、良し。』≪と≫。

 

[やぶちゃん注:これは、東洋文庫でもシカトして、種を同定していないが、

双子葉植物綱マメ目マメ科マメ亜科フジ連豬腰豆属(「維基百科」の同種の中文属名を参考にした) Whitfordiodendron 豬腰豆(同前)Whitfordiodendron filipes

である。日本語では、「跡見群芳譜」の「豆譜」に『Padbruggea 中国(南部)・インドシナ・インドネシアに』三『種』とし、『P. filipes(Afgekia filipes, Whitfordiodendron filipes;猪腰豆』(☜)『・大莢藤・細梗密束花)』と載るだけである。形態その他の記載が見当たらないので、仕方がないから、学名のグーグル画像検索をリンクするだけで御茶を濁すこととする。巨大な莢が確認出来る。今までの項目の中でも私の注は、最もショボいものとなった。詳細が判るものをお持ちの方は、是非、お教え戴きたい。

 本篇の「本草綱目」の引用は、「卷三十五下」の「木之二」「喬木類」(「漢籍リポジトリ」)の「猪腰子」(ガイド・ナンバー[086-55a]の以下)を、ほぼそのままを引用している。短いので、引用しておく(少し手を加えた。「觧」は「解」の異体字)。

   *

猪腰子【綱目】

 集觧【時珍曰豬腰子生柳州蔓生結莢内子大若豬之内腎状酷似之長三四寸色紫而肉堅彼人 以充土宜饋送中土】

 氣味甘微辛無毒主治一切瘡毒及毒箭傷研細酒服一二錢并塗之【時珍】

   *

「柳州」明代の柳州府は広西省(グーグル・マップ・データ)に属し、直属の馬平・洛容・柳城・羅城・懐遠・融・来賓の七県と、象州に属する武宣県と賓州に属する遷江・上林の二県、合わせて二州十県を管轄した。

「廣西府」現在の広西チワン族自治区相当(グーグル・マップ・データ)。

「中土」中央。首都。時珍(一五一八年~一五九三年)の時代には、当時の明の首都はとっくに(一四二一年)南京から北京に移っている。]

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