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2024/08/04

「和漢三才圖會」植物部 卷第八十三 喬木類 扇骨木

 

Kanamemoti

 

かなめのき 正字未詳

      【俗又以要字訓

       加奈女】

扇骨木

 

△按扇骨木髙二三𠀋葉似海石榴葉而狹小有細鋸齒

 靣滑四月開小白花結細子作簇八九月赤熟其木最

 堅硬堪爲扇骨故名

 

   *

 

かなめのき 正字、未だ、詳かならず。

      【俗、又、「要」≪の≫字を以つて、

       「加奈女」と訓ず。】

扇骨木

 

△按ずるに、扇骨木は、髙さ、二、三𠀋。葉、海石榴(つばき)の葉に似て、狹《せば》く、小《ちい》≪さし≫。細《こまか》なる鋸齒、有り、靣《おもて》、滑《なめらか》なり。四月、小白花を開き、細≪なる≫子《み》を結ぶ。簇《むらがり》を作る。八、九月、赤く、熟す。其の木、最も堅硬≪にして≫、扇-骨(かなめ)と爲《するに》堪《たへ》たり。故《ゆゑ》、名づく。

 

[やぶちゃん注: これは、「要黐」(かなめもち)で、

双子葉植物綱バラ亜綱バラ目バラ科ナシ亜科カナメモチ属カナメモチ Photinia glabra

である。当該ウィキを引く(注記号と「分類」の項はカットした)。『常緑小高木である。カナメモチという和名の由来は、扇の要(かなめ)に使い、モチノキ(黐)に似るためとされる。別名は、アカメモチ、カナメガシ、カナメノキ、アカメノキ、ソバノキ(花序がソバに似るためといわれる)などがある』。『日本の本州東海地方以西、四国、九州に分布する。暖地の山地に自生する。照葉樹林の低木である。日本以外では中華人民共和国(南東部、南中央部)、タイ、ビルマに自生し、朝鮮やアメリカ合衆国(ルイジアナ州)に見られるのは持ち込まれたものである。常緑広葉樹の小高木で、樹高は』三~五『メートル』で、『よく枝分かれし、葉を密につける。葉は互生する。葉身の形状は両端のとがった長さ』五~十『センチメートル』『の長楕円形で、革質でつやがあり、葉縁に細かい鋸歯がある。葉柄は短い。若葉は紅色を帯び』、『美しい』。『開花時期は』五~六月頃で、『枝先に径約』十センチメートルの『半球状の集散花序を出し、小さな白色の』五『弁花を多数つける。果実は球状で、先端が黒紫色で紅色に熟す』。『庭木、特に生垣によく用いる。また、幹は硬く、器具の柄として利用される』とある。以下、「カナメモチ属」で、『東アジア暖帯・亜熱帯を中心に』六十『種ほどある』として、本邦に分布する種を、以下、四種、挙げる。

オオカナメモチ Photinia serratifolia(『中国本土・台湾から東南アジアにかけて分布する。日本では岡山県・愛媛県・南西諸島にかけて、点在的に分布記録があるが、このうち本土の記録は栽培個体の逸出だと思われ、南西諸島では自生が確認されているのは徳之島のみで、他の記録ははっきりしないとされる。中国では墓樹に利用されるなど栽培もされる。葉は長さ』十~二十センチメートル『の長楕円形でカナメモチよりも大きく、古い葉は紅葉して落葉する。花に強い芳香がある』とある。ちょっと江戸時代に植生していたか、かなり不審ではある)

シマカナメモチ Photinia wrightiana (『小笠原諸島・琉球列島に分布する。小笠原諸島では比較的よくみられるが、琉球列島では数が少ない』)

品種ベニカナメモチ(紅要黐)Photinia glabra f. benikaname(別名「ベニカナメ」とも呼ばれる『カナメモチの変種。新芽や若葉は赤く、セイヨウカナメモチ(レッドロビン)』(次項参照)『によく似ている。東北南部から沖縄にかけて、生け垣や園芸樹に利用される。葉は黄緑色で光沢のある皮質、若葉は紅色となり若葉以外の葉も赤味を残す。葉身は長さ』六~十二センチメートル『の長楕円形で互生する。葉身は先端が尖り、基部は楔形、葉縁に細かい鋸歯がある。カナメモチより』、『枝の伸びは弱く葉も小型。花期は』五『月で、枝先の散房状花序に白い小花を多数つける』とある。ある記事では、江戸時代にはなかっただろうとあったので、本来は、ここではカットすべきかも知れないと考え、太字にしなかった

種間交雑種セイヨウカナメモチ Photinia × fraseri (『西洋要黐』。『英名』は『レッドロビン』(Red Robin)。ベニカナメモチとオオカナメモチとの交雑の園芸種。萌芽力が強く、若葉は鮮やかな濃い紅色で、生け垣によく使われる。カナメモチやベニカナメモチに比べて葉が大きく、枝の茂り方はやや粗いが』、『耐病性に優れる。花期は』五『月。カナメモチとよく似ているが、カナメモチの葉柄には鋸歯の痕跡(茶色の点に見える)が残るが、レッドロビンには無いことで区別できる』とある。近隣でも、よく見かけるが、調べたところ、ニュージーランドで育成されたとあったので、近現代の移入であるから、これは、本来は外すべきではある。同前

 なお、中国南部及び北中部・台湾・日本を原産とし、熊本県・鹿児島県に植生するという、ムクロジ目ウルシ科チャンチンモドキ属チャンチンモドキ Choerospondias axillaris なる種の別名が「カナメノキ」なので、注意が必要(同種は当該ウィキ、及び、より詳しい同種の英文ウィキを見られたい)。

「海石榴(つばき)」「椿」=「藪椿」で、ツツジ目ツバキ科 Theeae 連ツバキ属ヤブツバキ Camellia japonica 。]

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