「神威怪異竒談」(「南路志」の「巻三十六」及び「巻三十七」)正規表現電子化注「巻三十七」 幡多郡井田村地藏
[やぶちゃん注:原書の解説や凡例・その他は初回を見られたい。今回の底本はここから。]
幡多郡井田村地藏
幡多郡(はたのこほり)伊田浦(いだうら)の磯に地藏堂あり。
御長(おんたけ)三尺斗(ばかり)の座像也。
至(いたつ)て、不細工也。
往來の人、笑ふものあれば、忽(たちま)ち、祟(たた)りを成(な)し玉ふ故、里人(さとびと)は、大きに恐るゝとかや。
[やぶちゃん注:「幡多郡(はたのこほり)伊田浦」高知県幡多郡黒潮町伊田(いだ:グーグル・マップ・データ)の海浜部。
「磯に地藏堂あり」この磯という謂いからは、明治初期のおぞましい廃仏毀釈で廃寺にされた「松山寺」の跡として残る、この「地蔵堂」(ストリートビュー画像)の、向かって左にある祠の二体の仏像の右手のものではないかと私は踏んだ。「おむすび」型の本体の上にかわいらしい、まあるい頭を頂いた愛らしい地蔵である(と言っておかないと祟られるからネ。しかし……地蔵が祟るというのは……これ……ちょっと、地蔵様が可哀そうだなぁ)。グーグル・マップではこの中央附近である。これが地蔵であることは、高知県黒潮町議会発行の『アーカイブNo .4伊田』(PDF)、及び、個人サイトと思しい「四国番外霊場 高知県」のこちらの冒頭の「21 地蔵堂」「松山寺下の地蔵堂」「黒潮町伊田」とある画像を元に確認した。そこには横たわった地蔵群もあるのだが、これが、いっとう、目立つからである。]
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