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2024/09/19

「神威怪異竒談」(「南路志」の「巻三十六」及び「巻三十七」)正規表現電子化注「巻三十六」 九反田之鼠喰稲

[やぶちゃん注:凡例・その他は初回を見られたい。底本の本篇はここ。標題は「くたんだのねずみ、いねをくらふ」と訓じておく。]

 

      九反田之鼠喰稲

 文化三年は、豊年にて、本御藏の後口(うしろぐち)、九反田、稲、よく出來(いでき)て、既に刈入(かりいれ)んとする時、諸方より、家鼠(いへねずみ)、集(あつま)り、不殘(のこらず)、稲を喰取(くらひとり)ける。十月廿八日夜、「荒神祭(かうじんまつり)」とて、小相撲(こずまふ)、爲取(とりなし)ける。

 

[やぶちゃん注:「九反田」現在の高知県高知市九反田(グーグル・マップ・データ)。鏡川河口近くの左岸の砂州上に伸びた地区の一画で、高知城南東の直近。

「文化三年」庚寅(かのえとら)で、グレゴリオ暦一八〇六年。

「本御藏」高知城の米蔵は既に先行する話で考証したところ、始めは、高知城の町屋に接する位置にあったものを、後に城内に移していることが判明しているので、これは「本」=「元」あった「御藏」の後方にあった出入り口の先にある「九反田」という意味と採る。

「十月廿八日」グレゴリオ暦で十一月七日。

「小相撲」草相撲。素人相撲。]

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